非正規雇用者の6割強は「正社員になりたい」

2009年02月04日 08:00

労働イメージモバイルリサーチを展開するネットエイジアは2009年2月3日、ワークシェアリングに関する携帯電話による意識調査の結果を発表した。それによると、調査母体の中では非正規雇用者の6割強が「正社員になりたい」と考えていることが明らかになった。性別では女性より男性、年齢階層別では若年層ほどその意向は高く、20代では7割強が「正社員になりたい」と回答していた(【発表ページ】)。

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今調査は2009年1月23日から27日、20~59歳の携帯電話利用者に対して行われたもので、有効回答数は543人。男女比は51.0対49.0、職業形態比は正規雇用61.7%、非正規雇用38.3%。ただし今件項目では非正規雇用者208人のみを対象としているため、他の項目と比べて多少のぶれが生じている可能性があることを考慮して、データを見なければならない。

非正規雇用者に対して「正社員に登用されることを望んでいますか」と単一回答式で尋ねたところ、「どんな条件でもよい」「ある程度の妥協はしてもよい」「十分に納得のいく条件なら」をあわせた「正社員になりたい」派は64.0%に達した。

あなたは、正社員へ登用されることを望んでいますか。(※非正規雇用者対象)
あなたは、正社員へ登用されることを望んでいますか。(※非正規雇用者対象)

各区分別に見ると、次のような傾向が見られる

・女性より男性、高齢者より若年層の方が正規雇用意欲は高い。
・年齢を経ると、「正社員になりたくない」人が急増する(あえて非正規雇用を選んだ人が多くなる)。男性よりも女性の方が同様の傾向がある。
・「条件が悪くとも正社員になりたい」割合は、男女では約2倍もの開きがある。


非正規雇用者の正社員への登用願望については、【「正社員として採用されないから……」派遣社員が派遣社員である理由】【「確かな雇用と収入」派遣社員などの非正社員が望むもの】などで厚生労働省の調査結果について触れているが、そちらでは非正規雇用者の正社員願望は大体5割前後(他の職種に就きたい派遣・契約社員は5割強、そのうち正社員に就きたい人は9割強で、0.5×0.9=0.45)。単純比較はリスクがあるが、1年前の状況と比べてやや正社員願望が増加したようにも思える。

・納得行く条件ならば
 正社員になりたい非正規雇用者
……4割
・正社員として働ける会社がないと
 回答した契約、派遣社員
……3割強

他方、男女・年齢階層を問わず、「十分に納得のいく条件であれば正社員になりたい」という人が約4割(20~30代に限れば5割近く)に達しているのも目に留まる。上記厚生労働省の調査結果では、派遣社員の4割近く、契約社員の3割強が「正社員として働ける会社がない」ために非正規雇用者にならざるを得なかったと回答している。両者には解釈の違いもあるだろうが(つまり求職側の能力などが雇用ハードルをクリアできずに企業側が門前払いをしているのか、企業がアプローチをかけているけれども求職側が条件にあわないと判断して断ったのか)、このミスマッチが雇用問題を解くひとつのヒントになるような気がしてならない。

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