10代でテレビを観過ぎるとファストフードジャンキーになって太るでござるの巻

2009年02月10日 08:00

肥満イメージHealthDayが2009年2月9日に伝えるところによると、1日5時間以上テレビを見る習慣を持つ10代世代は、大人になってから「ファストフード・ジャンキー」(ファストフードが好きでたまらない人)になりやすくカロリー摂取量も増える傾向にあるとの調査結果が発表された。これは【International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity(行動栄養学及び身の活動)のオンライン版】で1月30日に発表されたもので、アメリカのミネソタ大学(ミネアポリス)運動生理学助教授Daheia Barr-Anderson氏らの研究によるものである(【該当リリース】)。

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同教授は中学生564人と高校生1366人のデータを収集(男女、人種を問わず)。そして1日あたりのTV視聴時間を「2時間未満」「2時間から5時間」「5時間以上」に区分し、それぞれの区分における学生らの5年後の食生活をチェックした。

その結果、1日5時間以上TVを見ていた高校生は、5年後の食生活において、果物・野菜・全粒穀物・カルシウムの豊富な食品の摂取量が「テレビをあまり見なかった人」より少ない傾向が見られた。その一方で、スナックやフライもの、ファストフード、砂糖入りのジュース、トランス脂肪酸含有食品をより多く摂取していた。

Barr-Anderson氏は調査結果を受けて、「子どもの食生活を健康的ならしめるためには、保護者はテレビを見る時間を制限させて、よりよい食生活を習慣づけさせる必要がある」「健康的な食生活を営ませるためには、テレビは1日2時間までにするべき」「テレビを見ながら食事をすると、そのテレビで紹介されている(コマーシャル含む)食品を食べたくなる傾向がある」などとコメントしている。

カウチポテトイメージ一方、アメリカのワシントン大学(シアトル)小児健康研究所助教授Frederick J. Zimmerman氏は今回の研究内容を受けて、「テレビの見過ぎ、とりわけ食品のコマーシャルの見過ぎは、子どもの食生活に影響を及ぼすことが判明した。また、テレビを見る時間が特に長い10代若者の1日のカロリー摂取量は、適度な時間しか見ない若者に比べて、約200カロリー多いことが示されている」と述べている(実際に元データを見ると、それぞれの5年後において、テレビ視聴2時間未満だった人は平均1837キロカロリー、2~5時間は1831キロカロリー、そして5時間以上は2041キロカロリーという値が出ている。2時間未満と5時間以上を比較すると、ファストフードは15%、ジュースは17%、フライものは19%増しだ)。

さらにアメリカのハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部准教授のKimberly M. Thompson氏は今回の研究から「これはアメリカの『肥満危機』への警鐘を示す一つのデータに他ならない。子どもも保護者も、テレビの前に座って過ごす時間を減らす努力をしなければならない証拠である。今回の研究結果からは『ジャンクフードのテレビコマーシャル』と『テレビの前で食っちゃ寝すること(カウチポテト)』のどちらが悪いのか、それとも両方が悪いのかは明らかでは無い。しかし、いずれにしてもテレビ視聴が子どもの健全な食生活を阻む要因であり、『食事をしている間はテレビを観ない』『テレビを見ながら口にしてよいのは水と野菜と果物だけ』『テレビを1時間視聴したら20分は積極的に体を動かす』などのようなルール作りが必要」とコメントしている。

テレビは効果的なマスメディア媒体であるだけに、特に子どもへの影響は大きい。商品を販売する企業の立場からすれば、一人でも多くの人に商品を認知してもらい、一つでも多く買ってもらいたいもの。しかし視聴する側の度が過ぎると、過剰な結果を生み出してしまいかねない。今回の研究結果はその一例でもあろう。


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【イギリスでジャンクフードのテレビCMを2007年1月から規制】

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