ビッグ3に忍び寄るもう一つの「販売不振」・レンタカー業者の憂鬱

2009年01月12日 12:00

レンタカーイメージ以前【「研修や公園掃除」自動車市場が不調なアメリカ、日本車工場の従業員への対応は?】などで参照したアメリカ自動車業界のニュースサイト【Autoblog】において、実情を示す一つの逸話(レンタカーに関するお話)が掲載されていた。新車販売台数や従業員数とは「直接」関係はないものの、間接的に大きな影響を及ぼす傾向の一つとして注目すべき内容でもあり、ここにざっとではあるが紹介しておくことにする(【(レンタル車の業者は2008年において所有台数を減少、2009年はさらに減らす予定)Rental fleet sales down last year, 2009 will be worse】)。

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アメリカの自動車利用者におけるレンタカー・リースの利用状況は一部すでに【不況が変えるアメリカのカーリース市場】などでお伝えした通りだが、その詳細が今記事では語られている。いわく、2007年から2008年の間に、レンタル業者は保有台数をすでに40万台減少させた。業者たちは2009年において、さらにその数を減らすと宣言している。

ビッグ3の売上の15%は
レンタカー業者が担っている。
その業者が2009年においては
新規車両買い入れを半分以下に
抑えると宣告。

昨今は特にバスなどの大型車両が不調だという。観光業が不況で客入りが少なくなり、必要な車両数が減るのに加え、バスの借入をするための融資を受けることすら出来なくなっているのが実情らしい。それが原因で大型車両の中古車価格も下落している。バス以外でも、中古車市場が供給過多・需要急減のため、リースが終わった車両を売却できない状態にある。

自動車メーカーとリース会社は元々持ちつ持たれつの関係にあった。ビッグ3ことGM、フォード、クライスラーは売上の15%をレンタカー業者に依存している状態。つまり超お得意様。ところがこれらのレンタカー業者は2009年の買い入れ数を減らすと伝えている。ある会社(Enterprise社)は昨年の半数に留めるとし、別の会社(Hertz、Dollar、Thrifty)はそれ以下に留めるとのこと。そしていずれの会社も、手持ちのレンタカーの利用年数を延ばすとコメントしている。利用年数を延ばせば「保有車両の売却と新規購入における」回転率は下がるから、自動車メーカーにとってはさらに頭が痛い問題となる。自動車メーカー側は販売奨励金(いわゆるマージン)を倍に積み上げたが、レンタカー業者の財布のヒモは固いまま。

ともあれ、自動車のニーズは直接新車の販売だけでなく、間接的な販売においても大きな打撃を受けつつあるようだ。


■関連記事:
【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(上)】

(最終更新:2013/07/31)

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