アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(上)

2008年12月08日 08:00

GM本社イメージ現時点においてサブプライムローン問題やCDS・CDO、金利問題以上に注目されているのが、アメリカの一大産業である自動車産業の象徴ともいえる「ビッグ3」(GM、クライスラー、フォード)の救済問題。「年末までに何百億ドル緊急融資してくれないと潰れちゃうぞ」という脅し文句の額が公聴会のたびに増える一方で、トップが自家用ジェット機で駆けつけるなど色々と物議をかもしているが、最新の報道ではとりあえず公的資金150億ドルを融資することで政府と議会民主党が合意したことが伝えられている(12月5日時点)。これが可決されたとしても来年1月までの場つなぎ的な資金にしかならず、事態は緊張の度合いを高めつつある。そこで今記事と次記事では、手に入った最新のデータで、アメリカ国内における自動車産業の状況をグラフ化して斜め見してみることにする。

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まず今回は最新のデータである2008年11月分を元にした、アメリカ国内における普通自動車の販売実績。データ取得元は80年以上もの歴史を持つ自動車専門誌【WARD'Sの公式ウェブサイト】。こちらの【データベースページ】。から最新の2008年11月分を取得し、グラフ化した。

まずはアメリカ国内における「自動車」の販売実績。これには軽トラックや軽車両の類も含まれる。

2008年11月におけるアメリカ国内での自動車販売実績
2008年11月におけるアメリカ国内での自動車販売実績

あれだけ騒がれていてもなお「ビッグ3」が大きな販売実績を占めていること、トヨタやホンダが健闘していることが分かる。そしてアメリカ国内の自動車市場は、アメリカ製と日本製でほぼすべてのようにもみえる。

そのシェア比を分かりやすくしたのが次の図。11月の販売実績をシェア比で円グラフにしたもの。

2008年11月時点のアメリカ国内における自動車販売実績シェア比
2008年11月時点のアメリカ国内における自動車販売実績シェア比

「ビッグ3」のシェア比は48.2%。ほぼ半数に達する。日本製車両はあわせて38.8%で4割近く。あわせて9割近く。

さて。

参照データには直近のものだけでなく前年同月のものも掲載されている。それを元に、昨年と比べてどれだけ売上が落ち込んでいるのかを示したのが、次の表とグラフ。

2007年11月と2008年11月のアメリカ国内における販売実績及び減少率
2007年11月と2008年11月のアメリカ国内における販売実績及び減少率
2008年11月における前年同月比減少率
2008年11月における前年同月比減少率

正直、目も当てられないような状況であるのが分かる。イスズが比率では突出しているが、これはもともとの販売数が少ないための「ぶれ」であり、例外的な事例ではあるが、それ以外はほとんどのメーカーで30~40%減を記録しているのが分かる。唯一スバルが減少率を1ケタ台に留めているが、原因は不明。検索してみると確かに評判は高いのだが、直近データのセールストップテンには名前が出てこない。固定ファンが多い、ということなのだろうか。

ともあれ、これらのグラフでアメリカにおける自動車産業の「現状」は大体把握できるはずだ。


■一連の記事:
【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(上)】
【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(下)】

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