大証がジャスダック買収決定、ジャスダックも賛同

2008年11月19日 08:00

株式イメージ【大阪証券取引所(8697)】は11月18日、同じく証券取引所であるジャスダック証券取引所の普通株式を公開買い付けにより取得することを発表した。これに対しジャスダック側も賛同の意を発表している。情勢に変化のない限りこの公開買い付けは成功し、証券業界、とりわけ新興市場の再編にむけて新たな1ページが刻まれることになる(【大証リリース、PDF】【ジャスダックリリース、PDF】)。

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【大証によるジャスダック買収「遅くとも年内には」・システムの大証への一本化も正式発表】にもあるように、大証によるジャスダックの買収は、新興市場取引所の環境整備や証券業界再編に関わる重要事項であると共に、かねてからの懸案事項だった。主にジャスダック内部の一部反発でなかなか事態が進展していなかったものの、「色々な方法で」意見集約も果たされ、今回の公開買い付け・賛同意思表明へとつながった。

公開買い付け価格は1株7000円。100万個の議決権のうち50万超、すなわち過半数の議決権=株式の買い付けが成立条件で、将来において100%子会社化を目標としている。すでにジャスダックの最大株主である日本証券業協会は公開買い付けに賛同し、72.6%の保有数のうち50.1%の株式売却契約が取り交わされており、すでにこの時点で買い付けは成功していることになる。また、ジャスダック株を保有する他の企業、とりわけ多くの証券会社もこれに連なり手持ち株を売却するものと見られ、公開買い付けは成立する見込み。

ちなみに財務諸表を読む限り、ジャスダックは急速に経営状態が悪化しており、このままでは遅からず債務超過に陥る見込みだった。色々と意見もあるが、大証による買収は「クモの糸」だったことが分かる。

将来的には
ジャスダックとヘラクレスの
統合もありうる

買い付け後のアクションについて大証側では「本公開買付け後の対象者への役員派遣その他の経営参加の方法及び方針について決定しておりませんが、当社及び対象者の企業価値の向上に資するよう引き続き検討してまいります」と表現しており、役員の派遣や経営方針については「現時点では」明らかにしていない。ただし一部報道によれば19日に行われた大証の米田道生社長の記者会見の中で同社長は「国内新興市場の再編に一歩踏み出す」と語り、単に子会社化するだけでなく「さらなる一歩」、具体的にはジャスダックと同じ新興市場向け取引所であるヘラクレス市場との融合も想定できる。

少なくとも大証とジャスダックは2009年9月までに売買システムの統一(ジャスダックによる大証システムの利用)を正式に決定・発表している(【発表リリース、PDF】)。同じシステムを用いているのなら、それからさらにステップを進めた行動も気軽に行えるはずだ。低迷続く新興市場の活性化と現状に「喝」を入れることなど、両社の買収以降の動きに期待したい。

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