ヤフーの検索ワードランキングに見る「検索エンジン」の使われ方(2008年・年末集計版)

2008年11月27日 06:30

[ヤフー(4689)]は11月25日、2008年における検索ワードランキングを発表した。それによると2008年(集計は2008年1月から10月)にもっとも検索されたキーワードは上半期に続き「YouTube」だった。著名人ランキングでは「EXILE」「中川翔子(しょこたん)」「嵐」などが上位についている(【発表ページ】)。

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発表ページでは総合ランキング50位の他に、著名人(総合・男性・女性)、テレビ番組、ゲーム・アニメ、後半期における月ごと急上昇、画像検索、商品検索、モバイル検索、モバイル版Yahoo!知恵袋のランキングが掲載されている。詳しくは発表ページをご覧いただくとして、総合20位までは次の通り。

1位……YouTube(↑)
2位……mixi(↓)
3位……2ちゃんねる(→)
4位……Google(→)
5位……楽天(→)
6位……Amazon(→)
7位……ニコニコ動画(↑)
8位……goo(↓)
9位……ANA(↑)
10位……JAL(↑)
11位……NTT Docomo(↑)
12位……郵便番号(↑)
13位……MSN(→)
14位……JR(↑)
15位……au(↑)
16位……じゃらん(↑)
17位……Gyao(→)
18位……翻訳(圏外)
19位……ウィキペディア(↓)
20位……ハローワーク(↑)


ヤフーに限らず検索エンジンは、元々検索されたキーワードが含まれるインターネット上のウェブサイトを探し出し、その言葉を調べるために存在している、というのが建前であり前提。ところがランキングを見てもお分かりのように、上位の大部分、とりわけトップから8位まではすべて「ウェブサービス」(インターネット上で提供されているサービス)が占めている。

仮にこれらのサービスの内容を知らない人がいたとしても、一度か二度調べればある程度その内容は把握できるはず。毎日のように山ほど「新たに」言葉の定義や内容を知らない人が登場するとも考えにくい。

「YouTube」「mixi」など
検索上位のキーワードは
そのものの内容を知りたくてではなく
そのサービスにたどり着きたいがため
あるいはそのサービスを
直接利用したいため
検索をしている

ブックマークとしての
または直接案内人としての
検索エンジンの活用

実際には使った人たちそれぞれにアンケートをとる必要があるのだが、これらウェブサービスが検索キーワードの上位に来るということは、「検索エンジンをブックマーク代わりに使う傾向」さらには「直接ウェブサービス内の該当キーワードの検索結果ページ探しに使う傾向」が増加していることを示唆しているのだろう。

例えば前者の場合「YouTube」を検索した人は、その大部分が「YouTubeとはなんぞや」について知りたいから検索しているのではなく、「YouTubeにたどり着きたい」から検索している、という具合。後者の場合には「YouTube」に「らき☆すた」を加えて検索することで「YouTube内の『らき☆すた』関係の動画を確認したい」というところである。

個別キーワードでは「ANA」「JAL」などの航空会社の固有名詞が順位を上げていた。航空便の予約状況を確認するため、インターネットを使う人の割合が増加傾向を見せている、ということなのだろうか。また「mixi」の順位が落ちていたり、「ハローワーク」の順位が上がるなど、世情や業界実情を何気なく表しているあたりも、興味深いものがある。

その他個別項目のランキング、例えば著名人やテレビ番組では「ウェブサービスを探したい」ではなく、おおもとの存在理由である「(キーワードの内容や詳細を知りたくて)関連する記述のあるサイト(公式サイトや解説サイト、プロモーションサイト)を探している」、ゲーム・アニメではゲームの内容はもちろんのこと派生情報、攻略方法や周辺商品情報などを求めて検索しているものと思われる。

検索エンジンは「キーワードのことを知りたい、調べたい」という利用者の欲望がダイレクトに入力されるため、世情のニーズや傾向が反映されやすい。今回発表されたデータを見ると、キーワードの属性によって「使われ方」に差異があることも分かる。今回提示されたデータも、非常に興味深い、検証に値するデータといえるだろう。

なお今回の発表ページではモバイル系検索や商品検索数のランキングなど、非常に面白いデータも公開されている。こちらは機会をあらためてじっくりと考察してみることにしよう。


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【検索サイトを使いこなすワザ五か条】

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