同等なら6割、5割増なら約3割が買う……電気自動車が突きつけられた価格問題

2008年08月09日 12:00

三菱自動車のi MiEVイメージガソリン価格の高騰で、代替エネルギーの開発と共に注目を集めているのが、現行のガソリンエンジン以外の自動車。中でも電気自動車は技術的問題の多くはクリアされ、あとは航続距離・充電インフラ・価格という実務的な問題の解消に焦点がうつっている。gooリサーチと読売新聞は、この電気自動車に関するインターネット調査を行い、その結果が発表された。それによると「電気自動車が現行のエンジン自動車とほぼ同じ価格・またはそれ以下なら買う」人は約6割に達していることが分かった。ちなみにそれより割高の1.0~1.5倍なら買う人は26%と回答している(【発表ページ】)。

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今調査はインターネット経由で18歳以上・自宅に自動車を持つ男女に対し、7月中旬に行われた。有効回答数は1077人だが、男女比・年齢階層比は非公開。

調査結果によると、電気自動車がガソリン自動車と比べてほぼ同じ価格・それ以下ならば買うと答えた人は過半数の6割に達している。

電気自動車がいくらくらいなら買うか
電気自動車がいくらくらいなら買うか

電気自動車は後述するように、ガソリン価格が高騰している現在においてはランニングコストが(相対的に)安くつくのが最大のメリット。さらに二酸化炭素排出の件でもガソリン自動車と比べればはるかに勝り、「地球に優しい」というイメージが強い。しかしそれでもなお、購入価格は従来のガソリンエンジン車と同等でないと買わないという人が圧倒的多数を占めているのがわかる。日々の節約や地球環境より、手元の出費をいかに少なくするかにに多くの人の関心事が寄せられているようだ。

1.5倍以内、つまり同額より上で5割増以内なら買う人は26%。価格が上がると、例えランニングコストや環境面でプラスでも、購入意欲は急速に低下してしまう。そして2倍以内ならとの回答はわずかに1%。【「2010年半ばには150万円にまで」富士重工業が電気自動車量産化計画発表】【日産自動車、「電気自動車」の開発促進などで「環境にやさしい車」のリーダーを目指す】【寒冷地での電池性能をチェック・三菱自動車の電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」北海道で試験走行開始】からなどでお分かりのように、自動車業界では電気自動車について「車体サイズは軽自動車レベル」「価格は同等のガソリンエンジン自動車の約2倍」を目標値として掲げているようだが、その「約2倍」という価格設定では購入者が1%しかいないことになる。さらなる努力が求められよう。


同調査では「ガソリンエンジン車より電気自動車を選ぶ理由」についても尋ねている。その結果としては「走行距離毎の電気代がガソリン代よりもかなり安いから」「二酸化炭素削減につながり、地球環境に優しいから」の2つが7割超えを見せ、第三位以降の倍以上の値。エネルギー問題と地球環境問題は元々常にリンクする関係にあるが、電気自動車が欲しがられる要因もこの2つに集約されそうだ。

自動車のドライバーにとって直接日常生活に関係のあるのは、もちろん自動車そのものの代金やランニングコスト。「走行距離毎の電気代がガソリン代よりもかなり安いから」、つまり電気自動車は出費が少なくて済むと考えている人が多く、それを電気自動車の一義的なものであると見なす人が多いからこそ、価格が高ければ手を出さないと答えているのだろう。

※(08/09 22:00)一部内部的な計算・概念把握上のミスがあり、内容を差し替えました

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