日産自動車、「電気自動車」の開発促進などで「環境にやさしい車」のリーダーを目指す

2008年05月14日 08:00

カルロス・ゴーン氏イメージ【日産自動車(7201)】は5月13日、2008年3月期決算を発表すると共に、2013年3月31日までの新五か年経営計画「日産GT2012」の概要を発表した。GTとは「成長(Growth)」と「信頼(Trust)」の略であり、株主など利害関係者の信頼と共に長期的な成長を目指すことに焦点をあてているという。その中で日産側は「ゼロ・エミッション(二酸化炭素などを出さない)自動車でリーダーになる」ことなど、環境や品質面に重点を置くことを主張している(【発表リリース】)。

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日産の現社長カルロス・ゴーン氏といえば「日産180」「日産リバイバルプラン」に代表されるように、高い目標を設定してそれを果たすべく、収益向上のモデルを構築することで知られている。しかし昨年(2007年3月期)においては就任後初の営業減益を経験するなど、「定めた目標設定には是が非でも到達させる」という「コミットメント経営」スタイルにも限界が見えていた。

今回発表された五か年経営計画「日産GT2012」では、次の3つのコミットメント(達成させるべき目標)を設定し、そのために5つのブレイクスルー(現状を打破して解決する)が求められるとしている。

■3つのコミットメント
1.品質領域でリーダーになること。
 商品品質に注力するとともに、サービスの質、ブランドの質、およびマネージメントの質における改善への取り組みを加速する。
2.ゼロ・エミッション車でリーダーになること。
 日産は、2010年度に米国及び日本に電気自動車を投入し、2012年度にはグローバルに量産する予定。
3.2008年度から2012年度の5年間で売上高を平均5%増大させること。
 売上高の増加を支える商品投入計画では、2012年度までに60の新型車の発売を予定。また、2009年度から毎年15以上の新技術を投入する予定。

■5つのブレイクスルー
1.品質領域でリーダーになること
2.ゼロ・エミッション車でリーダーになること
3.事業の拡大:インフィニティ、小型商用車(LCV)、および新規投入するグローバル・エントリー・カー
4.市場の拡大:インド、中東、ブラジル、ロシア、および中国
5.コスト領域におけるリーダーになること


なおこれまでゴーン氏が行っていたような利益率や総販売台数などの具体的な数字により目標設定は掲げられなかった。要はこのような厳しい環境下においてはフレキシブルに対応しにくい具体的な数字目標よりも、概念的な設定目標を果たすべく努力を続け、中長期的な安定成長への土台を構築するのが得策という判断からのものだろう。

特に電気自動車については今から3年以内の2010年度(2011年3月末)に日米で電気自動車を投入するとある。日産ではすでに【電気自動車開発の履歴】にもあるように、戦後まもなくには「たま電気自動車」を開発、1960年以降は本格的な技術開発を進めている。

2005年の東京モーターショーで発表された次世代電気自動車コンセプトカー「ピボ(PIVO)」イメージ昨今でも【1月のリリース】にあるように、ルノーやプロジェクト・ベター・プレイス社(電気自動車用バッテリー充電スタンドの会社)と共同でイスラエルにおいて電気自動車の量産計画を実行に移すことを明らかにしている。この電気自動車は2011年から同国で利用が可能になる。これもイスラエルの「国土面積の問題から、連続走行距離が短い電気自動車でも通常の自動車の代替車たりうる」という事情によるもの。さらにこの時点で「フランスでも電気自動車を売りに出す」ことを明らかにしている。

原油価格の高騰や地球環境問題、さらには需要が厳しくなることで逆風に立たされている自動車業界。日産では(コミットメントの表記順番から想像する限り)消費者への信頼確保を第一と考えた上で、電気自動車分野を中心とした環境方面へ重点を置いた経営方針を貫くようである。


(最終更新:2013/09/07)

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