「値段上がった!」実感できる食品は主食の「●●」

2008年07月02日 08:00

パンイメージモバイルリサーチを展開するネットエイジアは7月1日、「食品価格上昇による生活者意識と消費変化」に関する調査結果の一部を発表した。それによると、消費者サイドの感覚で価格が上がったと実感している食品のもっとも上位に位置したのは「パン」であることが明らかになった。「めん類」「バター」「小麦粉」「チーズ」などが上位を占めており、値上げは主に粉系・乳製品で目立つようだ(【発表リリース】)。

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今調査は6月13日から17日、20歳以上の携帯電話利用者に対して行われたもので、男女比は1対1。年齢階層比などは未公開。

「価格が上がったと実感している食品」を複数回答でたずねたところ、6割以上の人が「パン」と答えている

「価格が上がったと実感している食品」(複数回答)
「価格が上がったと実感している食品」(複数回答)

「パン」に続き「めん類」「バター」が上位を占め、ここまでで過半数の人が「価格が上がった」と実感している。次いで「小麦」「チーズ」「牛乳」「マヨネーズ」くらいまでが3割前後ラインだろうか。

これらの「価格が上がった、と多くの人が感じている食品」で共通するのは、冒頭で触れたように「粉系」「乳製品」であること。前者は小麦・大豆などの穀物価格に比しているからある程度理解はできるが、乳製品は数年前まで供給過多(余り過ぎ)で大量廃棄していたくらいなのに……と思う人もいるに違いない。

しかしこれもまたこれまでに触れたように、生産調整や需要の急増、さらに飼料(=穀物)や燃料費の急騰など、穀物・原油価格の値上がりに端を発しており、大きく影響を受けやすい。さらにこれらの食品はここ数年来比較的安価で供給されていただけに、値上がりが余計に目立つという事情もあるのだろう。

また、このような食品価格の高騰に対し、どのような対策をとっているか尋ねたところ、「少しでも価格が安いスーパーなどを捜して、そこで買い物をする」という回答が過半数を占めていた。

食品価格の高騰に対し、どのような対策をとっているか(複数回答、一部抜粋)
食品価格の高騰に対し、どのような対策をとっているか(複数回答、一部抜粋)
特価商品による
「まきえさ」戦略が
通用しなくなりつつある

「少しでも価格が安いスーパーなどを捜して、そこで買い物をする」が多数を占めていることから、月次で報告している各種小売業の事業報告で触れている「来客数が増え、商品単価が上がっているはずなのに、顧客単価は逆に下がっている」という傾向がある程度説明できる。要は「お客は商品単位で安いものを探し、それだけを集中して購入。余計な『ついで買い』は極力控える」傾向がこれまで以上に強まっているということだ。

また価格上昇を実感している上位商品のラインアップがどちらかといえば洋食に傾倒していることや、対策項目でも上位についていた「米を食べるようにしている」からも分かるように、「食品価格の防衛策の一環として、食生活の和食化」が進んでいることが推測できる。こちらも【食品の値上げが食卓の●●化を促進する!?】でお伝えしたことを裏付ける結果といえるだろう。


詳細なデータは公開されていないが、昨今の食品価格上昇で「安心感」重視派が減り、「価格」重視派が増えているという結果も出ていると記述されている。【「お値段2倍でも国産野菜・検査完璧な肉」進む食の安全志向】【「値上げは困る、けどと品質が高ければ我慢」消費者の本音が見え隠れ】とはやや反する回答にも見えるが、なりふりかまっていられなくなったと見るべきなのか、「遺伝子組み換えくらいなら大丈夫だろう」という認識なのか、あるいはそのいずれもなのかは分からない。

今後さらに食品価格が高騰するのは容易に想像できることから、さらに消費者心理に微妙な変化が生じる可能性は十分にあるといえよう。


(最終更新:2013/08/04)

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