「老後のお金は不安」8割「でも何も準備していない」7割近く

2008年07月28日 08:00

不安イメージ楽天リサーチが7月21日に発表した調査結果によると、老後の金銭的な見通しについて何らかの不安を抱えている人は8割近くに登ることが明らかになった。その一方で、具体的に投資・預貯金などの資産形成を行っている人は3割強に過ぎず、残りの7割近くは準備をしていないことも判明している。不安を抱く人は多いが、具体的な防衛策に移る人はまだそれほど多くないようだ(『発表リリース』)。

スポンサードリンク

今調査は6月23日から26日の間、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。20代~60代の男女を対象とし、男女別・年齢階層別で均等割り当て。

老後の金銭的な見通しについて「かなり」「多少」をあわせた不安派は実に8割近くに及んでいる。

老後の金銭的な見通し
老後の金銭的な見通し

不安の無い人はその度合いを考慮せずに全部足してもわずか9.0%、1割にも満たない。多くの人が安心感を持っていないことが分かる。

しかしながら自己防衛策として「投資・預貯金などの資産形成を行っている」とした人は34.6%と4割にも満たない。一番多い回答は「考えてはいるが具体的に準備していない」の51.1%で過半数。不安感はあるものの具体的な行動に移していない・移せない人が大半であることが分かる。

老後の資金計画について
老後の資金計画について

上のグラフにあるように、「資産計画を考えている人は9割近く」と現状を見ることもできるし、「具体的には何もしていない人は7割近く」と見ることもできる。まずは目的意識をもつことは大切ではあるが、具体的に行動に移さないことには何も成すことはできないことも事実である。

老後の資金計画について(性別・年齢階層別)
老後の資金計画について(性別・年齢階層別)

年齢・性別の区分で見て見ると、20代女性が「何も考えていない」人の割合がもっとも多いことが分かる。実に3割強と、他の階層と比べてみてもずば抜けている。ところが女性でも60代になると、逆に「投資・預貯金などの資産形成を行っている」人の割合は全階層でもっとも多く46.0%。これを「女性は事態を楽観視する傾向があるが一度現実を認識したら行動に移すのも速い」と見るのか、「昔の女性は堅実・現実的だが、今の女性は置き楽極楽な考え方をしている」と見るのかは、この調査結果からだけでは分からない。男性の当方(不破)としては、両方かと愚考するのだが、どうだろうか。


【シニア層は金融商品に対して勉強熱心・1日1回はネットで情報収集、運転資産は4桁前半】にもあるように、シニア層は金融商品に対する勉強意欲は旺盛。しかも【「生活に悩みや不安」過去最高の7割・「将来に不安」3割……若年層への不安が特に増加】でも語られているが、中堅層以降になると将来に向けた蓄財を真剣に考える人が増えるようになる。やる気が無いわけではないようだ。

「何も準備していない」人が7割近くに達しているのは、若年層では準備をするための余力の確保が難しいことはもちろんだが、十分な情報が得られていないのも一因なのだろう。何となく不安、ではなく、具体的に何歳でいくら必要、どれだけ不足かといった「ライフプラン(人生のお金の面からの設計図)」を立てれば、その「不足情報」のかなりの部分を得ることは出来る。

やみくもに不安をあおるわけではないが、自分がこれから歩む道のりについて、一度考えてみるのも良いだろう。


(最終更新:2013/09/01)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ