ヤフー、マイクロソフトなどの「24時間以内の回答」提案を拒否

2008年07月14日 08:00

マイクロソフトとヤフーの合併!? イメージアメリカのインターネット検索大手米ヤフーは7月12日、米マイクロソフトと米ヤフーの大株主でもあるCarl Icahn氏が共同して提案してきたリストラ・検索事業の買収などの案件について、これを拒否したことを発表した。この提案は11日金曜の夜に行われ、24時間以内の回答期限しか与えられていなかったという(【発表リリース】)。

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米マイクロソフトによる米ヤフーの買収・合併問題については、【米マイクロソフト、ヤフーへの買収再交渉の可能性語る・取締役会の刷新が条件】にもあるように、米ヤフーの大株主で著名投資家でもあるCarl Icahn氏が米マイクロソフト側についている。そして、経営陣の刷新などをもとめて8月1日の株主総会に向け、さまざまなアプローチやゆさぶりをかけている。今回米ヤフーから発表された「24時間以内の回答」を求められた案件も、「ゆさぶり」に近いものと思われる。

今提案を受けてヤフーでは法律上・財務的な問題を確認した上で、取締役会としては「株主の利益のためにはこの提案は受けない方が良い」と判断。提案には首を縦には振らないことを決定した。

提案を断った理由は「すでにグーグルと交わされている各種業務提携で、マイクロソフトなどが提示している内容よりも優れた資産価値を見出せる」「マイクロソフトが提示している買収額ではまだ安い」など、いつもどおりのこと。

今リリースの中で米ヤフーのBostock会長は「マイクロソフトは検索部門で遅れているからヤフーの買収は非常に有利になるはずだ。しかしそれはヤフーの株主にとっては不利な条件を含んでいる。また短期売買による利益をもくろむIcahn氏とマイクロソフトの思惑が一致しているのだろうが、ヤフーの取締役会は株主の利益を最大化できない取引には応じられない」と答えており、ヤフーとマイクロソフトの間の関係はさらに悪化する可能性が高くなった。

さらにヤフー側は今件を拒否する際に「1株を33ドル以上に設定して企業全体を売却する」「検索事業の売却の場合には条件を見直すように」と提案したが、マイクロソフト側はこの提案を拒否したとのこと。

8月1日の米ヤフーの株主総会に向けて、双方陣営の情報戦やさまざまな駆け引きが行われているのは事実。今件もIcahn氏によるプロキシーファイト(議決権確保のための委任状争奪戦)や買収を狙うマイクロソフト側による揺さぶりと考えた方が自然である。友好的な話し合いを行う環境がますます構築されにくくなる状況下において、これから8月1日までの間に、さらなる「情報戦」が繰り広げられることだろう。

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