2007年末のインターネット普及率は69.0%・8811万人

2008年07月17日 12:00

インターネットイメージ総務省は7月12日、2008年度版の情報通信白書を発表した。それによると2007年末におけるインターネット利用者は8811万人で、全人口に占める普及率は69.0%であることが明らかになった。伸び率は2003年以降鈍化しているものの、着実に普及率は高まっているようすがうかがえる(【発表ページ】)。

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情報通信白書とは総務省が毎年日本の情報通信の現況や情報通信の政策の動向について、国民の理解を得ることを目的として作成する統計資料。政策決定の材料としても用いられる。

今回発表された2008年度版のデータによれば、2007年末におけるインターネット人口は8811万人。この「インターネット人口」とは過去1年間にインターネットを利用した経験がある人を指し、パソコンだけでなく携帯電話やゲーム機などあらゆる種類のメディアを対象とする。また、その端末を保有しているか否かは問わず、利用目的も仕事・勉強はもちろん個人的な各種目的までもすべて含んでいる。

インターネット利用者数と人口普及率の推移
インターネット利用者数と人口普及率の推移
2005年の増加は
ブログとSNSが原因!?

日本の人口そのものが横ばい傾向にあることもあわせ、インターネット人口は2003年に7000万人を超えたあたりから伸び率が鈍化している。しかし着実に増加しているのもまた事実。特に2005年には意外な伸び率が計測されているが、この時期にはmixiなどのSNSや各種ブログサービスが普及した年でもあり、これらの要素がインターネットへの窓口をさらに押し広げたものと思われる。

また普及率の「69.0%」は案外低いようにも見えるが、【「ケータイ使ったネット利用が一番長い」な家庭は約●割】で触れているように「家庭レベルでのインターネット普及率は6割強」なことから、妥当な数字であることが分かる。

いくつかの属性別にインターネット利用者の伸びを見ると、意外な普及の現実が見えてくる。2004年末と2007年末で、まずは年齢層別で比べてみたのが次の表。

年齢層別インターネット利用者の割合(普及率)
年齢層別インターネット利用者の割合(普及率)

すべての年齢層で利用割合が増えているが、特に50代以上の壮年齢層における伸び率が著しい。これは単純にインフラの整備により近郊・山間部にもネット環境が普及し、その地域に多く住む壮年層がインターネットに触れる機会が増えただけでなく、利用時のハードルが低くなったこと(特に携帯電話において)が大きな要因であると思われる。

地域別ではインフラ整備の進行が如実に現れた結果が出ている。

都市規模別インターネット利用者の割合(普及率)
都市規模別インターネット利用者の割合(普及率)

都心部では3年間でまったく変化がないのに対しで地方都市では5.6ポイント、町・村の地域では10.7ポイントの開きがある。いずれも都心部と比べると値が低いことから、環境整備が都心部から周辺都市、そして市町村にじわじわと広がりつつあるようすが想像できる。

そして以前【携帯しか使えないと「下流」なの? 「下流携帯族」論にダウト!?】あたりで物議の対象となった「所属世帯年収とネット普及率の割合」。

所属世帯年収別インターネット利用者の割合(普及率)
所属世帯年収別インターネット利用者の割合(普及率)

所得が高い層では普及率の変化は小さいが所得が低くなるにつれて増加率は増えている。特に400万円未満の層における伸び率が著しい。業者間の価格競争によりブロードバンド環境への経費的ハードルが低くなったことや、携帯電話の普及が後押ししているのだろう。


全体の普及率としては未だに7割に達していない(つまり3割の人は過去一年間において触れたことがない)インターネットだが、今や生活には欠かせないツール・インフラとなりつつある。特にインターネットへアクセスできる携帯電話の普及が、その「必要度」に拍車をかけたといえよう。

都市部から地方へ
若年層から壮年層へ
高所得者から低所得者へ
拡散するネットの世界

都市部・若年層・高所得者への普及はやや頭打ち感があるものの、まだまだ普及する領域は多く残されている。今後技術革新や効率化でインターネットへのアクセスのハードルがさらに低くなれば、残された「未開拓地域」へのネットのアプローチが着実に行われるはずだ。普及率が上がればそれだけ「ネットにアクセスしていることを前提とした」行動(例えば広告展開、仕事などの素材のやり取り)がしやすくなる。

それと共に、これまでネットにアクセスする機会が無かった人たちが足を踏み入れるにあたり、ネット上のマイナスの領域に足を踏み入れることがないよう、関連官庁や事業者はもちろん、周囲の人たちが注意を行うことも忘れてはならないだろう。


(最終更新:2013/08/04)

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