トップは「寝る」……電車内の暇つぶしに見る、疲れ具合や女性のケータイ好き

2008年06月29日 12:00

電車内うたたねイメージ【マクロミル(3730)】は6月27日、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の男女を対象にした交通機関のマナー実態調査の結果を発表した。それによると交通機関内でしていることのトップには「寝る」がついた。疲れや睡眠不足から、少しでも眠っておきたいという「お仕事びと」の苦労がにじみ出ている。また、男女別では女性のトップに「携帯電話でメールをする」が第一位につき、女性の携帯電話好きが改めて実証される結果となっている(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は6月9日から11日にかけてインターネット経由で行われ、有効回答数は520人。男女比・年齢階層比は非公開。15歳~59歳の東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県在住者を対象にしている。今回取り上げる項目は、520人のうち、交通機関に月1回以上乗車をしている459人が対象。

交通機関内で暇つぶしにしていることとして、全体では「寝る」がもっとも多く、唯一過半数を占めている。

交通機関内で暇つぶしにしていること
交通機関内で暇つぶしにしていること

よほど器用な人でない限り、立ったまま寝ることはできない。電車やバスで我先にと座席の奪い合いが起きるのも理解できる気がする。第二位には考え事、第三位には携帯電話でメールをする、がつき、以下本を読む、中吊り広告を見る、音楽を聴く、までが4割超の回答。いずれも経験したことがあるものばかり、という人も多いだろう。

携帯ゲーム機をする人は5.2%。もう少し多いような気がするが、これは携帯電話と違い携帯ゲーム機は第三者から見ても目立つので、強い印象があるからなのだろう。

上位の選択肢のうち
「中吊り広告」のみが
周囲環境を利用している

「トレインチャンネル」の
有効性を再確認

第五位に「中吊り広告を見る」が42.7%で入っている。4割超の6項目のうち他の項目はすべて個人単独で完結しているのに対し、この「中吊り広告」のみが電車やバスなどの周辺環境を利用した時間の過ごし方であることに注目してほしい。この割合の高さから【「トレインチャンネル」~電車の中の液晶モニタ映像広告にみる、プロモーションメディア広告の善戦ぶり】で紹介した「トレインチャンネル」の有効性を改めて証明しているといえよう。

また、この順位を男女別で分けて見ると意外な(そしてある意味当然な)結果が出る。

交通機関内で暇つぶしにしていること(男女別)
交通機関内で暇つぶしにしていること(男女別)

男性が「寝る」や「考え事」が上位に入っているのに対し、女性では「携帯電話でメールをする」がトップについている。【10代のおこづかい、ケータイ費用がチョー負担】【電話はわずか1割強・友だちとの連絡も今やメールの時代】、そして【20代は早朝にモバイルメール、ネット接続は男女で違いが!? 】など多数の調査結果において、女性は男性よりも「おしゃべり感覚で携帯電話のメールを使う」ことが明らかにされており、これがそのまま「携帯電話でメールをする」の項目が高い得票を得る結果にもつながっている。電車やバスの中に居ても、女性の多くは携帯電話を経由した「井戸端会議」に参加している気分なのだろうか。

また先の「中吊り広告」(トレインチャンネル含む)に注目して見ると、やはり男性よりも女性の方が注目度が高い。当方(不破)が見ている限りでは、トレインチャンネルの広告展開は2対8くらいで男性ターゲットの広告が多い。通勤電車を使う男女比そのものが男性の方が多いから、ということなのだろうが、今後は女性向けにも本腰を入れた方がよいのかもしれない。


電車やバスなどの公共交通機関は、不特定多数の人が一定時間、狭い空間で時間を共有し、しかも互いの意思疎通がなされることはほとんどないという、ある意味非常に「特異」な空間といえる。そのような場所では人々の日常生活やモノの考え方、あるいは望みが、比較的ストレートに出てしまう傾向がある。

「寝る」という項目がトップについているのは、利用者の多くの人が疲れ、寝不足状態にあることを示している。「考え事」は普段なかなか考え事をする時間が取れない状態への補完だろうし、「携帯電話でメール」は日常生活の延長を見せてくれる。

社会情勢や文化の縮図ともいえる、電車やバスなど公共交通機関の内部の様子。人々が何をしているかを見ることで、今世の中にどのような動きがあるのかさえも、おぼろげながら見えてくるのかもしれない。

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