【更新】ケータイで脇役扱いの通話機能。しかし見方を変えると……

2008年06月11日 12:00

C-NEWSは6月10日、携帯電話の利用機能に関する調査結果の一部を発表した。それによると携帯電話において「非常によく利用する」機能のベスト3は「メール」「アラーム」「通話」の順であることが明らかになった。携帯電話がすでに「通話」機能より「メール」機能に重点が置かれていることを改めて実証するデータといえよう([発表リリース])。一方で「使用頻度」を別の観点から眺めてみると、携帯電話の意外な(そして本来は「当たり前の」)一面も見えてきた。

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今調査は5月15日から16日の間、携帯電話・PHSを所有している20~50代のインターネットユーザー400人に対して行われたもので、男女比は1対1。年齢階層比は20・30・40・50代それぞれ均等割り当て。

現在の携帯電話に備わっている主な機能について、それぞれどの程度利用しているのかをたずねた結果が次のグラフ。

携帯電話の機能と利用頻度
携帯電話の機能と利用頻度

「非常に利用する」の項目を見ると、一番多いのは「メール(文字のみ)」。次いで「アラーム」、そして本来携帯'電話'の主機能であるはずの「通話」が入ってくる。後述するが「使われること」自体が無くなるわけではないが、「通話」は利用頻度・重要度が「メール」や「アラーム」より下に位置づけられていることが分かる。

携帯電話は
携帯「電話」というより
携帯情報端末化として
認識・利用されている


【子どもがケータイで使う機能はカメラ、メール、そしてゲームや音楽】にもあるように小中学生に限定すれば「カメラ」「メール」「音楽」「ゲーム」、別箇所の似たような調査でもメールの利用率はきわめて高く、アラームのニーズも高めの結果が出ている(【電子メール94.5%・絵文字も69.6%……携帯電話は「携帯」する「電話」を超えた】)。調査方法・母体によって差はあるが、やはりこれらの傾向には大きな変化はないものと思われる。

案外少ないのがウェブ閲覧。これはパケット定額制の普及率や機種そのものの性能の問題からくるものだろう。【明日のケータイ、使いたい機能はアレとあれ】にもあるように「将来はフルブラウザでのインターネットアクセスをしたい」という要望は強いことから、「現状ではしたくても出来ない」様子が想像できる。

「超えられた」けど「要らない」わけじゃない通話機能

非常に利用される頻度が「メール」や「アラーム」となった「通話」機能。それでは現在の携帯電話に通話機能は不要なのだろうか。先のグラフで見方を変えてみると、そうも言い切れないことが分かる。

グラフ上の赤い棒は、「利用する」と「利用しない」の境界線。つまりその赤いラインから左側は、頻度はともあれ「その機能を利用している」層を表す。主な項目のみライン引きをしたが、この「とにかく使っている」という考え方で順位を引きなおすと次の通りになる。

携帯電話で利用している機能(頻度を問わず、赤は「非常によく利用する」ベスト3)
携帯電話で利用している機能(頻度を問わず、赤は「非常によく利用する」ベスト3)

このリストなどから、携帯電話の機能に関する事情として、次のようなことが考察できる。

・通話機能は積極的には使われない。しかし固定電話からの応対や特定事情(親からの安全確認、「声を聞きたい」というニーズ)により、受動的に使われる場合が多い(∴利用頻度はさほど高くないが、利用そのものの経験はきわめて多い)。
・画像添付のメールやウェブ閲覧が「頻繁に」は使われないものの「使われること」自体は非常に多いことから、パケット料金や携帯電話本体の性能などのハードルがこれら機能の利用を妨げているものと思われる(≒現在はパケット料金の安い文字メールで我慢している?)。
・「ついで的な機能だが、必要な時にすぐに使えると便利」機能としての電卓の立ち位置


携帯電話の機能向上と
定額制の普及は
メールの多メディア化と
ネットへのアクセス急増を
もたらすことになる

今後携帯電話の機能が向上し、企業間競争で定額制の料金が押し下げられるようなことになれば、メールは文字のみから画像添付のものが増え、インターネットのブラウジング機会も急増することだろう。

その一方、携帯電話の環境がどのように進化・変化しようとも、使用頻度そのものはさらに減少するかもしれないが、「通話機能」が使われなくなることは無いだろう。電話の先に要る相手が人間である限りは。


(最終更新:2013/08/05)

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