去年の猛暑の原因・ラニーニャ現象終息宣言

2008年06月11日 08:00

天気図イメージ気象庁は6月10日、南アメリカ北部地域で海面水温が下がり昨年の猛暑の原因ともされる現象「ラニーニャ現象」が、今年の春に終息したと見られることを発表した。しかしその影響はまだ一部で残っており、去年ほどではないものの暑さにさいなまれる夏になりそうだ(【発表リリース】)。

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予想モデルによる監視海域の海面水温予想。平均値に近づく様子が分かる。
予想モデルによる監視海域の海面水温予想。平均値に近づく様子が分かる。
直近10年間の監視海域の海面水温の、平均温度との差
直近10年間の監視海域の海面水温の、平均温度との差

「ラニーニャ現象」とは、似たような言い回しでよく耳にする「エルニーニョ現象」とは逆の現象で、南アメリカ北部の西側、東太平洋の赤道部分の海面水温が平年を下回る現象(エルニーニョは上回る現象)。夏にラニーニャが発生すると夏は大変暑く、冬は逆に非常に寒くなるなど、季節の気温の高低が激しくなる傾向がある。最近では2005年秋から2006年春にかけて発生し、インドやモンゴル地域などで干ばつ、アジア地域などで低温、日本でも豪雪などを引き起こした、とされている。また、去年も春から発生しており、昨夏の猛暑の原因とされていた。

ペルー沖にある監視海域の海面水温は27.0度で、基準値(過去30年間の平均)との差は0.1度(去年は1.7度~0.5度の低温が観測された)。さらに水面の低い領域も先月と比べると縮小している。また、ラニーニャ現象時に特有の偏西風も一部では吹き続けているものの、5月は4月と比べると縮小傾向にあるという。

これらの調査結果から、気象庁では1年あまり続いていたラニーニャ現象が春に終息し、今年の夏の間はエルニーニョ・ラニーニャ現象が発生する可能性は低い、としている。しかし【今年も猛暑の予感・気象庁、長期予報を発表】で伝えているように、ラニーニャ現象の影響は多少なりとも残っているようで、今年が昨年ほどではないものの猛暑になる可能性は否定できない。今のうちに色々と備えておいた方が良いだろう。

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