ケータイ動画普及中・観る時間は「夜のまったり時間」

2008年05月24日 12:00

モバイルイメージ【ネットエイジアリサーチ】は5月23日、携帯電話の動画視聴に関する調査結果を発表した。それによると携帯電話で動画コンテンツを観る人は確実に増加の傾向を見せていることが明らかになった。また視聴機会は主に夕食を食べ終えた後の夜半から深夜にかけた時間帯であることも判明した。夜のくつろぎ時間をケータイ動画のお楽しみタイムとして堪能している人が増えているということなのだろう(【発表リリース】)。

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今調査は5月9日から13日、15歳から29歳の携帯電話保有者に対し携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は500。男女比は1対1、キャリア内訳はNTTドコモ45.4%、au40.8%、ソフトバンク13.8%。

一年前と比べて携帯電話で動画を観る頻度や時間についてたずねたところ、半数近くが「増えた」と回答している。

■1年前と比べて携帯電話での動画閲覧は……
・増えた……45.5%
 →増えた理由は?
  ・パケット定額制に加入したから……68.2%
  ・無料閲覧動画が増えたから……65.3%
・変わらない……45.7%
・減った……8.8%


動画を提供するサイト・動画そのものが増えたことはもちろんだが、それらを閲覧する環境が整いつつあるのも、携帯電話経由での閲覧機会や閲覧時間が増えた要因でもあるのだろう。

さらに携帯電話経由で動画を観ることが多い時間帯をたずねたところ、午後9時以降翌日の深夜の時間帯がもっとも多いタイムゾーンであることが判明した。

携帯電話で動画コンテンツを観ることが多い時間帯(※通常のグラフとは縦軸の並びが逆なことに注意)
携帯電話で動画コンテンツを観ることが多い時間帯(※通常のグラフとは縦軸の並びが逆なことに注意)

グラフが通常の並びと逆で、下から上に時間帯が増えていく(下が午前、上が午後)ことに注意してほしいが、夕食を食べ終えた午後9時以降利用頻度が急増し、その傾向は深夜まで続くことが分かる。これは【女子高生 ケータイ利用は 一日2時間 寝る間も惜しんで メールで やりとり】【携帯の利用頻度は「メール」「通話」「ネット」の順、お昼と帰宅後はメールばかり】などの調査結果にもある「自宅に戻って食事を終え、一息つける『まったりタイム』に携帯電話に夢中になる」という若年層のライフスタイル推定を裏付けている。

携帯電話の利用は動画閲覧だけでなく、メールのやりとりやウェブサイトの閲覧もあるのだろうが、ともかくこの時間帯は「携帯電話と一心同体」にあることに違いはないのだろう。


同調査では閲覧する動画のサイトの種類もたずねているが、もっとも多いのがYouTubeなどの動画投稿サイトで51.9%、ついでポータルサイトなどの運営動画サイト38.5%、テレビ局の動画サイト20.6%、アニメの動画配信サイト15.8%などとなっている。これらの傾向を観ると、既存メディアの展開する動画よりも、ネットを主軸にしたメディアが提供する動画の方が支持を集めていることが推測される。

「同じ動画なのだから、テレビ放送内容をただ動画にコンバートし、垂れ流しをすればOK。インターネットや携帯電話でも、既存メディア同様に視聴者のハートをわしづかみできるゾ」という意図が見える、既存メディア提供のポータルサイトを見かけることがある。しかし今データをみる限り、携帯電話経由で熱心に動画を視聴する人たちは、インターネットならではの動画にお熱で、純粋に「テレビと同じ」ものにはあまり興味がないようだ。

携帯電話経由の動画視聴は
視聴者の観たいものだけを
閲覧できる「オンデマンド方式」。
つみま食い的だからこそ
夢中になれる。

考え直してみれば、「自宅で」携帯電話経由で動画を観るのだから、その内容がテレビと同じなら「テレビやビデオを見ればいいじゃん」ということになる。にも関わらず携帯電話経由で動画を観るのは、「興味のある動画だけを観られる」「テレビのものでない動画を楽しめる」からなのだろう(携帯の動画サイトへのアクセス手段が「検索エンジン経由で」と回答する人がもっとも多いのも、それを裏付けている)。いわば「オンデマンド」(視聴者の求めるものを提供する)が実現したテレビが、携帯電話経由での動画視聴とも表現できよう。

いわば自分の好きなものだけをつまみ食いできる、バイキング料理のようなもの。夢中にならないはずはない。時間の有効活用という観点でも理にかなっている。今後パケット定額制の普及や動画提供サービスの増加などで、この傾向はますます強まるに違いない。


(最終更新:2013/08/06)

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