退職金 投資をしたのは 約4割

2008年05月27日 06:30

アメリカ系の資産運用会社フィデリティ投信は5月26日、「退職金に関するアンケート」の調査結果概要を発表した。それによると退職金をもらった人の約4割が、(割合は人それぞれだが)元本を保証しない投資型金融商品で運用していることが明らかになった。残りの約6割は、預貯金などに回されており、投資の普及度がまだ今ひとつであることがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は4月25日から30日、定年退職を経験し、退職金を受け取った60~65歳の男女(平均62歳)に対してネット経由で行われたもので、有効回答数は1000。男女比は89.3対10.7。

概要をまとめると次の通り。

退職金の一部を投資型金融商品(元本保証でないもの)で運用している……約4割
 ●どれくらいの割合か?
 ・退職金の3割……24.7%
 ・退職金の2割……18.9%
 ●受け取ってから投資行動を起こすまでの期間
 ・3か月以内……46.6%
 ・半年以内……2/3 ※累計
 ・1年以内……9割以上 ※累計
 ●投資対象
 ・日本株式……57.7%
 ・日本株以外の投信で分配金あり……37.0%
 ・日本株投信で分配金あり……23.5%
 ●将来金銭面での不安はあるか
 ・不安あり……48.7%

退職金を投資型金融商品で運用していない……約6割
 ●今後投資をするか
 ・しない……72.4%
 ●将来金銭面での不安はあるか
 ・不安あり……62.0%


 退職金となると結構なまとまった額となる。それらのキャッシュを目の前に、投資行動を起こす人が約4割というのは、「貯蓄から投資へ」を標榜していた状況においてはやや少なめな気がする。また、簡単に内容を解釈すると次のような項目が挙げられよう。

・投資する派も投資型金融商品の割合は2~3割とそれほど大きくない
・投資する派は手元にキャッシュが手に入ったら即行動を起こす。以前から投資を考えていたようだ
・人気は日本株と投資信託。毎月お金が手に入る分配金ありのものに注目が集まる
・金銭面で将来に不安がある人ほど、投資を避ける傾向にある。「余剰資金を投資に」の原則を守っている裏返し?


似たようなアンケートは他の企業でも行われているが、例えば【シニア層は金融商品に対して勉強熱心・1日1回はネットで情報収集、運転資産は4桁前半】にもあるように、「投資型金融商品に興味のある」シニア層は総じてすばやく行動し、退職金のうち数割を運用にまわしていることが分かる。

興味深いのは「金銭面に不安がある人ほど投資型金融商品から遠ざかる」傾向があること。「投資はあくまでも余剰資金で(命金は投資に使うな)」が浸透している証拠なのか、あるいはリスク教育・投資教育が不足しているのか、考えさせられるデータではある。

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