「4か月、毎日コーヒーを5杯飲んでくれませんか」九州大学でボランティア募集

2008年05月15日 08:00

コーヒーイメージ西日本新聞が伝えるところによると、九州大学医学研究院の研究グループが、糖尿病予備群を対象にした「コーヒーを毎日飲む」研究協力者を募集している。毎日5杯コーヒーを飲み、4か月の間にどれだけの糖代謝の改善があったかを検証するというもの。

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一日5杯のコーヒーを飲むだけで、糖尿病のリスクが……
一日5杯のコーヒーを飲むだけで、糖尿病のリスクが……

この研究は予防医学分野の古野純典教授らが計画したもので、「コーヒーを習慣的に飲んでいる人は飲まない人と比べると糖尿病のリスクが低い」というこれまでの研究成果を裏付けるため。アメリカなどでこの説が相次いで発表されているが、飲んだ人の血糖値、血糖値調整のインスリン量などの長期計測が行われておらず、いわば「仮説の領域」。

そこで今回、古野教授らが行おうとしたのは、コーヒーと糖尿病との相関関係を推し量るため比較対照のための実証実験。40歳から64歳までの男性で、BMI指数(体重を身長の二乗で割った数字、肥満を検証する一つの値)が25から30、コーヒーを毎日飲んでいない(すでに体内にコーヒーの成分が浸透していない)人を募集。その人らに「1日5杯インスタントのブラックコーヒー」「カフェインの入っていないコーヒー」「水」(それぞれ20人ずつ)を飲むという条件を守ってもらう。この状態を16週間続け、定期的に採血をして数値の変化を調べて比較し、コーヒーが与えた影響を検証するとのこと。なおコーヒーや水(!)は大学側が用意し、謝礼も支払う。

古野教授は以前にも退職前の自衛官の検診データを元に解析を進めており、それによれば「コーヒーを日常的によく飲む人ほど、糖尿病やその一歩手前の境界型になる危険度が10~40%低くなる」「コーヒーの違いはレギュラーでもインスタントでも変わりはない」などの検証結果を導き出している。教授自身もコーヒーが好きで、1日5杯ほどコーヒーをたしなむそうだ(【全日本コーヒー協会のインタビュー記事】より)。教授は元々がん方面に強い方のようだが、自身のコーヒー好きが高じて、コーヒーと糖尿病との関係の研究にも興味を持つきっかけとなったのかもしれない。

似たような話では先日「毎日板チョコを食べるボランティア」がイギリスで行われている事をお伝えした(【「1年間、毎日板チョコを食べてくれませんか」イギリスでボランティア募集】)。身近な食品が体に良いという定説や都市伝説を検証するため、今後もこのような実験が行われるかもしれない。……今のところケーキやおせんべいを毎日食べる、というボランティアはないので、念のため(笑)。


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(最終更新:2013/08/06)

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