働き人の1/3は「自分の常識に自信がない……」

2008年05月30日 06:30

マナーイメージ転職サイト【イーキャリアプラス】を運営するソフトバンク・ヒューマンキャピタルは5月29日、「ビジネスパーソンの常識力に関する意識調査」の結果を発表した。それによると20代・30代のビジネスパーソン(働き人)の3人に1人が「自分の常識に自信が無い」と考えていることが明らかになった。特に目上の人との食事や接待などのマナー面、業界間での常識の違いに戸惑いを感じているようだ(【発表リリース】)。

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今調査は5月24日から25日の間にインターネット経由で20~30代のビジネスパーソンを対象に行われたもので、有効回答数は400人。年齢階層比・男女比は非公開。400人のうち半数は「インターネット関連業界勤務」に限定されている。

まず単刀直入に「自分の常識に自信があるか否か」についてたずねたところ、はっきりと「自信がある」といえる派は約6割。残りは「自信が無い」「どちらともいえない」で、自分の常識にとまどいを感じていることが分かる。

自分の常識に自信があるか否か
自分の常識に自信があるか否か

一方、常識不足や常識の間違いで困ること、失敗したことはあるかどうかという問いには6割が「ある」と答えている。

常識不足や常識の間違いで困ること、失敗したことはあるか
常識不足や常識の間違いで困ること、失敗したことはあるか

「常識に自信がある」派が6割にも関わらず、失敗した経験がある人も6割というのは、計算につじつまが合わない。常識に自信があるのなら、常識不足や間違いは通常起こさないはずだ。これは自信があってもヘマをやらかしたり、「自信はあるがパーフェクトではないネ」ということなのだろう。設問にやや難があるのかもしれない。

ネット業界人は「業界ルール」が世間で通用しないことに困惑!?

「常識」が大切だと実感させられるのは、それを実際に使う場面において。では具体的にはどのような場面だろうか。

常識が求められる場面で、特に困ることが多いもの(単一回答)
常識が求められる場面で、特に困ることが多いもの(単一回答)
常識が求められる場面で、特に困ることが多いもの(単一回答、インターネット関連業界勤務者限定)
常識が求められる場面で、特に困ることが多いもの(単一回答、インターネット関連業界勤務者限定)

20代・30代という若年のビジネスパーソンでも、目上の人と食事をしたり接待をする場面にたびたび遭遇することになる。そのような場面で自分の常識が実は世間では非常識だったり、そもそもマナーや作法などの常識を知らなくて、とまどったりあわてたりという場面がもっとも多く、4割を占めている。

また、回答者全体でもインターネット関連業界勤務者限定でも「困ること」の傾向にさほど違いはないが、唯一大きな違いが見られるのは「業界間で常識の違うこと」。他の業界と比べれば歴史が浅く、また勤務や業務内容に特殊性が見られることから、「独自ルール」が多いインターネット関連業界。他業界との係わり合いの中で、「うちの業界ではこれでよかったはずなのに」と頭を抱えるパターンが多いのだろう。


同調査では常識に自信がない分野についてもたずねているが、上位には「作法マナー」「日本語の使い方」といった、ビジネス云々以前の問題ともいえる項目が占めている。ビジネスの場で必要とされる「海外情報」「経済」「ビジネス用語」と比べてもこれらの項目が上位にあるあたり、就職するまでの学生生活や、仕事場以外の日常生活における「常識を知る」意識や機会に欠けるところがあるのかもしれない。

一方で「常識に自信がない」場合、同僚や他人に聞いたり本を読んで調べるより「インターネットで調べる」という人が圧倒的に多く、複数回答ながら9割近くの89.9%がそのように答えていた。今や常識を知るためにはインターネットは必要不可欠で、逆に考えればインターネットを使うこと自身が常識なのかもしれない。

もっともインターネット上の情報すべてが「常識」とは限らない。書かれていることが実は非常識だったり、あるいはインターネットの上「だけの」常識、ということもありうる。常識をネットから知る時代でも、いや時代だからこそ、メディア・リテラシー(メディア上の情報を読み解いて理解し、真偽を確認して取捨選択し、活用する能力)が求められるのだろう。


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