100年前のアメリカの新聞広告

2008年05月30日 06:30

新聞イメージ先に【ニューヨークタイムズ紙、「タイム'ズ'マシン」を提供】で、ニューヨークタイムズ紙のシャレたサービス「昔のニューヨークタイムズ紙をネット上で閲覧できるサービス」【TimesMachine】を紹介した。記事執筆後も、もんまりとしながら斜め読みなどをしていたのだが、先日【デイリーポータル】で「昔の新聞広告をチェックしよう」という趣旨の記事を思い出した。「そういやタイムズマシンにも、面白い広告があったっけ……」。ということで、早速チェックしてみることにした。

スポンサードリンク

とはいえ、有料会員でもなければ紙媒体としてのニューヨークタイムズ紙をとっているわけでもない当方としては、新聞広告を確認できるのはサンプルとして掲載されている6日分しかない。しかし面白いものをチョイスする分にはそれで十分だろう。そして今回はその中でも主に100年前の新聞をチェックしてみることにした。

最初に見てみたのは【1851年9月18日】。同紙の創刊号。しかし広告らしいものは特に見つからず。文章レベルでの広告はいくつかあったが、文字だけの広告を拾い集めても面白くないので省略。

1865年の新聞広告イメージ続いて【1865年4月15日】。リンカーン大統領の暗殺を伝えた日のものだ。状況が状況からなのか、それともまだビジュアル的な広告が一般的ではないのか、最終ページにちらほらと見受けられた程度。見た目で「広告ですね」とはっきり分かるのは右にあるもの一つのみ。しかも拡大取り込みがされていないので、文字がつぶれてよく見えない。どうやらニューヨークにあるビール店か何かの告知のようだ。

続いて今回本題の【1908年5月29日】。ちょうど100年前の今日の記事だ。どうやらこの項目は毎日更新され、「ちょうど」100年前の記事がサンプルとして掲載されるらしい。だからこのリンクはおそらく閲覧できなくなっているはず。タイムズマシンのトップページに戻って、「100 Years Ago Today」(上段右端)から閲覧しなおしてほしい。

自動演奏ピアノ「ピアノラ」のセールス。今では携帯できる音楽プレイヤーすらあるが、当時としては大いに注目を集めていた。
自動演奏ピアノ「ピアノラ」のセールス。今では携帯できる音楽プレイヤーすらあるが、当時としては大いに注目を集めていた。
帽子や靴など、男性向けのファッショナブルアイテムをアピールする広告がもっとも多い。写真はまだあまり普及していない(あるいは印刷の質の問題からつぶれてしまう)、それともイラストが主流からなのか、アメコミ風のイラストカットがほとんど。男性向けの帽子が1.65ドルから、か。
帽子や靴など、男性向けのファッショナブルアイテムをアピールする広告がもっとも多い。写真はまだあまり普及していない(あるいは印刷の質の問題からつぶれてしまう)、それともイラストが主流からなのか、アメコミ風のイラストカットがほとんど。男性向けの帽子が1.65ドルから、か。
「男のたしなみはスーツから」といわんばかりに、スーツの宣伝が多い。描かれている男性もスタイリッシュなものばかり。そして当時の流行ともいえる山高帽をかぶっているのも特徴。
「男のたしなみはスーツから」といわんばかりに、スーツの宣伝が多い。描かれている男性もスタイリッシュなものばかり。そして当時の流行ともいえる山高帽をかぶっているのも特徴。
掲載日が5月下旬ということもあり、これから夏の長期休暇に向けたリゾート地のホテルの案内もまとめて掲載。ホテルそのものの写真らしきものもあるが、やはり画像がつぶれてしまっている。
掲載日が5月下旬ということもあり、これから夏の長期休暇に向けたリゾート地のホテルの案内もまとめて掲載。ホテルそのものの写真らしきものもあるが、やはり画像がつぶれてしまっている。
サブプライムローン問題で大いにゆれるアメリカの不動産事情だが、100年前はそんなこともつゆ知らず(当然だ)、住宅の販売広告も大いにもりあがっている。「二世帯住宅(TWO FAMILY HOUSES)」なども見つけることが出来る。住宅の相場は5000~10000ドル程度のようだ。
サブプライムローン問題で大いにゆれるアメリカの不動産事情だが、100年前はそんなこともつゆ知らず(当然だ)、住宅の販売広告も大いにもりあがっている。「二世帯住宅(TWO FAMILY HOUSES)」なども見つけることが出来る。住宅の相場は5000~10000ドル程度のようだ。

昔のビデオテープを「発掘」していると、録画対象だった番組自身よりも合間に放送されるテレビCMの方が面白かったという経験をしている人は多いはず。広告は当時の社会文化を如実に表しているからだ。新聞広告もまたしかりで、イラストやキャッチコピーからだけでも、色々な状況を想像し、楽しむことができる。

今回はきっかり100年前の新聞をピックアップしてみたが、時間を見つけてもう一紙、別の時代のものを取り上げる予定。こちらもそれなりに面白い広告を見かけることができそうだ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ