「メタボじゃない」と思う人の半数は「将来なるかも」とも思っている

2008年04月19日 12:00

メタボイメージ【マクロミル(3730)】は4月18日、メタボリック症候群と健康意識に関する調査結果を発表した。それによると自分が「メタボリック症候群」の条件に当てはまると考えている人は全体の26%にしか過ぎないことが明らかになった。一方で「当てはまらない」と答えた人の半数は「将来メタボになるかも」という不安を持っており、健康の維持管理に強い関心を持っていることがうかがいしれる結果が出ている(【発表ページ】)。

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今調査は20~59歳の男女に対して4月4日から5日の間、ネット経由で行ったもので有効回答数は1032。男女比・年齢階層比(20・30・40・50代)は均等割り当て。

特定健診が開始されたにもかかわらず、メタボリック症候群の条件は十分に把握されていない可能性が高い。そこで条件を明示したあとに、自分自身があてはまるかどうかについてたずねたところ、「あてはまる」「おそらくあてはまる」はあわせて23.4%に過ぎず、「おそらくあてはまらない」「あてはまない」は74.0%にも達している。

「あなたはメタボリック症候群」にあてはまると思いますか
「あなたはメタボリック症候群」にあてはまると思いますか

20代男性が極端に「あてはまらない」層が多いことを除けば、男女とも年齢を経るごとに「あてはまる」と考える人の割合が増えていくことがわかる。特に50代男性は合わせて48.8%と過半数近くの人が「メタボかも」と感じている。

「今調査では」案外メタボの自覚者が少ないように見えるが、「あてはまらない」と思う人は将来もその状態を維持できる自信があるのだろうか。それに対しては「自信」と「不安」が半々であるという結果が出ている。

将来自分がメタボリック症候群になるという不安はありますか(「自分はメタボではない」とした人ベース)
将来自分がメタボリック症候群になるという不安はありますか(「自分はメタボではない」とした人ベース)

全体では半数が「今はメタボじゃなくても将来メタボになるかも」と感じているという結果が出ている。「メタボではない」という判断自身、第三者からの指摘ではなく自分自身の判断なので、おそらくは頭の中で「すでにそうかも、いや違うかも」という脳内会議が行われている人も多いと思われる。そのような人にとっては「今はそうでなくても将来なるだろうな」という想像が容易にできるのだろう。

「将来メタボになるかも」という割合も年齢を経るごとに増えていくが、興味深いのは50代で突然数字がガクンと落ちること。男性の場合は「すでにメタボだと感じている人」が多数を占めており、それらの人はこの投票には参加していないので「今も将来もメタボとは無縁」という自信を持つ人が多いから説明はつく。しかし女性の50代は、「すでにメタボだと感じている人」の割合と比較するとあまりにも不均衡に見られる。

50代女性の「スリムさへの自信」はどこからくるのか。ある意味「女性の神秘」の一つに数え上げられるのかもしれない。


すでに読者諸氏はご存知だと思われるが、似たような調査は先に【約7割は「私はメタボ」、原因は「運動不足と食べすぎ」!?】でも行われており、そこでは約7割が「自分はメタボ」と実感しているという結果が出ている。設問・回答状況などを考慮しても、差が大きめな気なのは否めない。これはどちらかの質問に問題があるからではなく、回答者、つまり一般市民の間で「メタボリック症候群」に関する認知度がまだまだ低いことが原因だと思われる。

「メタボ」の定義を説明してから
「あなたはメタボか」と聞くと
YES派は大いに減る傾向

「メタボ」そのものの啓蒙不足?

実際、先の調査では前情報無しに「あなたはメタボか」と聞いているのに対して、今回の調査では「メタボリック症候群の定義について説明」した上で問い合わせている。その違いが調査結果の差異として現れたのだろう。

大急ぎでスタートした感のある特定健診制度などメタボリック症候群に関する対策だが、まだまだ認知は足りない、それゆえに多くの人たちは疑心暗鬼におちいっている、というのが今回の調査結果から読み取れる一番の結論なのかもしれない。


(最終更新:2013/08/09)

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