預貯金以外の資産形成は約4割・人気は株式と投信

2008年04月14日 08:00

gooリサーチが4月11日に発表した調査結果によると、預貯金以外に資産形成・運営をしている人は全体の4割強にのぼるという調査結果が出た。年齢が低いほどその割合も低く、また資産形成をしていない人の最大の理由として「余裕がない」という回答が多数を占めている。逆に考えれば年齢を経て余力が出てきた上で、預貯金以外の選択肢に着目するようになるという、あるべき投資スタイルを実践しているようすが見て取れる(【発表リリース】)。

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「預貯金4割」「株式投資や投資信託が一番」

当調査は今年3月中旬にネット経由で行われ、20歳以上の1083人が回答した。年齢階層比や男女比など詳細データは未公開。

日本円による預貯金以外で資産形成をしている人は、全体では44%に登った。過半数に達しておらず、まだまだ「安心安全な預貯金が一番」と考えている人が多数であることが分かる。

預貯金以外の資産形成は? している場合にはその手段は??
預貯金以外の資産形成は? している場合にはその手段は??

多少のぶれはあるが、年齢を重ねるごとにその割合は増え、60代以上になると過半数の人が「預貯金以外の手段でも資産形成をしているよ」と答えている。後述するが、知識と経験はもちろん、財力上でも余裕が出てくる中堅層以降になってはじめて「資産形成をしよう」と考えているのだろう。

一方その「預貯金以外」の手段としては、株式投資・投資信託の割合が過半数を超えていた。外貨預金やFX(外国為替証拠金取引)などがメディアで大規模にもてはやされているが、それほど普及率は高くないことが分かる。

また以前似たような調査に関する記事が【お金を貯める目的は「老後の資金」「生活の備え」、貯め方は定額積立がトップ】にあったが、こちらでは投資信託が預貯金以外ではトップについている。時間の流れによるもの(現状の株価を「割安」と判断して株式への投資が増えた)か、それとも調査上の誤差によるものかは不明。どちちらにしても、「株式投資」「投資信託」が多数を占めて上位にきているということだけは変わりない。

女性の投資へのニーズは「安全で少額からでもOK」

資産形成の手段を選ぶ際にどのような選択基準を考えるのか。全体としては「比較的安全である」がトップだったが、男女では微妙な差が出ている。

資産形成手段の選択基準
資産形成手段の選択基準
■資産形成選択基準
・男性
「収益性」「購入しやすさ」
・女性
「安全性」「少額OK」

男性が「安全性よりも収益性」に重点を置いているのに対し、女性は「何よりもまずは安全性、そして少額からでも始められる」と答えている。以前【苦境の中での株式取引は女性の方が上手!? ここ一年で女性投資家の利益率が向上】などで「女性の方が投資が上手い」というデータが出ていたが、その秘訣の一つがこのデータにも出ているのかもしれない。

「余裕が無いから」預貯金以外に手を出せない理由

一方で預貯金以外に資産形成をしていない人にその理由を尋ねたところ、「金銭的余裕がないから」という回答が多数を占めた。

預貯金以外の資産形成をしない理由
預貯金以外の資産形成をしない理由

「余裕がないから預貯金以外には手を出せない」「それどころか預貯金にすらまわせない」という意見がかなり見られるという話は他の調査結果でも目にしており、(ややオーバーな話になるが)国民一人一人の経済的余力・需要そのもののモチベーションにかげりが見えていることがうかがえる。

また、「何を選んだらいいのか分からない」「やり方やシステムがわかりにくい」など、関係者による啓蒙不足と思われる部分もみられる。


「預貯金以外の資産形成は4割強」という数字が高いのか低いのか、判断に困るところがあるが、少なくとも「貯蓄より投資へ」をスローガンに掲げている(いた?)状況においてはまだまだ少ないといえる。「余裕が無いのに投資などしてられるか」という現状は仕方ないが、業界関係者の啓蒙不足・整備不足の部分は手を打つべきだろう。

一方で悪質業者などによる、詐欺的まがい・詐欺そのものの投資案件にハマり、虎の子を失ってしまったという話もよく耳にする。この類のものへの取締りの強化も行わなければ、回答中の「ギャンブル云々」をはじめとした「投資そのものへの疑心暗鬼」を人々の心の中から取り払うことはできない。どちらにしてもいっそうの「努力」が求められよう。


■関連記事:
【株価急落!~資産をどこに移すべきか・株?債券??それとも現金!?】

(最終更新:2013/08/09)

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