セガサミーの業績予想下方修正、純損は2倍の520億円へ

2008年04月26日 12:00

【セガサミーホールディングス(6460)】は4月25日、2008年3月期の通期連結業績予想の修正などを発表した。それによると直近で予想していた赤字額をさらに倍増する形で赤字がふくらみ、該当期の純利益は520億円の赤字になる可能性があることが明らかになった。1株あたりの利益はマイナス206円40銭となる。パチンコ台などの販売目標未達以外に、各種特別損失が発生したため(【発表リリース、PDF】)。

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今回発表された業績予想は次の通り。

・売上……4600億円(4750億円)
・営業利益……▲60億円(▲60億円)
・経常利益……▲70億円(▲70億円)
・当期純利益……▲520億円(▲260億円)
・一株あたり純利益……▲206円40銭(▲103円20銭)

※()内は前回予想値、▲の値はマイナス


売上の落ち込みは割合的にさほど大きくなく、また営業・経常利益(損失)は変わっていないものの、当期純利益(損失)が大きく落ち込んでいるのが分かる。

リリースでは修正の理由として次の要素を挙げている。

・パチンコ、パチスロの販売台数が計画未達。
・売上は減ったが広告宣伝や販売手数料を下げて営業、経常損失は変えずに済んだ。
・本社と子会社の有価証券減損処理(要は株価などが下がって資産計上額を下げた)が120億円。
・「みなとみらい21」プロジェクトの中止経費として違約金56億円。
・一部製品の自主回収費用として23億円。


「みなとみらい21」の件は【セガサミー、事業集中化のため「みなとみらい21」の大型娯楽施設の開発中止】でも触れたように、「今のままでは体力がもたず、損失を拡大するのみ」という判断による「痛み」であるから仕方ないにしても、減損処理120億円は「前回の予想の時に出せなかったのか」と疑問符を投げかけざるをえない。

またセガサミー側では同日、人事の大規模な刷新を発表すると共に(【発表リリース、PDF】)、2009年度の連結業績予想も発表している。

■2009年3月度連結業績予想
・売上……4700億円(4600億円)
・営業利益……150億円(▲60億円)
・経常利益……130億円(▲70億円)
・当期純利益……50億円(▲520億円)
・一株あたり純利益……19円85銭(▲206円40銭)

※()内は今回提示された2008年度予想


もしこれが果たされれば言葉通り「Vの字回復」ということになる。この数字を出すための方針として挙げられているのが、まとめると今年から連結対象になった「タイヨーエレック社の業績寄与」以外はすべて「今やっている改革が上手くいく」ことを前提としている。さらに上場子会社の収益改善まで期待している面もある。

確かに「みなとみらい21」のような今期限りの損失も多いが、内部業態の変革は1年で片がつくようなものではない。ましてや自分が変わっても、周囲環境がそれに追いつかなければ利益構造への変革は難しい。434億5600万円の純利益を上げた2006年と比べれば非常にひかえめな数字であるにもかかわらず、到達への道は困難を極めるような気がしてならない。

もちろんだからこそ、その目標が果たされればビッグなポジティブインパクトとして、投資家にも大いに注目されることだろう。セガサミーには現在掲げている目標へひたすらまい進することが、最優先事項なのに違いない。


■関連記事:
【セガサミーHD、業績予想下方修正・赤字転落】

(最終更新:2013/08/07)

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