東芝ライテックが二酸化炭素削減のため2010年をめどに一般白熱電球製造を中止へ

2008年04月15日 06:30

白熱電球イメージ東芝ライテックは4月14日、同社が製造している白熱電球の主力商品の生産を、2010年度をめどに中止すると発表した。一部代替が効かない商品を除き、生産ラインを電球型蛍光灯などに切り替える。同社の試算ではこの措置で年間50万トンほどの二酸化炭素削減に貢献できるとのこと(【発表リリース】)。

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東芝ライテックでは120年前に日本で初めて白熱電球を実用化するなど、日本における「灯り」の最先端をいく会社。2006年度ベースで年間約4000万個もの一般白熱電球を製造してきた。今回の措置は「甘利経済産業大臣並びに北畑経済産業事務次官の発言」である「2012年までに家庭用白熱電球を廃止する方針」を先取りする形で行われるもの。今後は一般の白熱電球販売の大半を、同じく同社が発売している電球型蛍光ランプやLED電球に置き換える。

今回の製造中止により販売が終了する予定の一般白熱電球は全部で81機種。ボール電球も含むE26口金が該当し、具体的にはホワイトランプ(100V/110V)、長寿命ホワイトランプ、セミホワイトランプ、ウスシリカランプ、ホワイトボール(除くG50)が相当する。なおミニクリプトンランプ、ハロゲンランプ、反射形ランプなど、現在の電球形蛍光ランプなどに置き換えできない小形の白熱電球は製造中止の対象外となる。一部報道によれば今回の白熱電球製造中止により、年間17億円強の減収が見込まれるが、電球型蛍光ランプへの置き換えなどで十分補えるとのことである。

白熱電球は価格が安く手身近であるものの、消費電力が大きく寿命も短いという、いわば「反省エネ」的な照明器具として位置づけられていた。最近では電球型蛍光灯やLEDなど、単価が高いが消費電力が少なく寿命も長く、そして環境負荷の少ない「灯り」への代替が求められている。

今回の製造中止決定は昨今の省エネ・省資源の流れに、そして政府側の方針に呼応するもの。もちろん便宜性の問題などから全面完全廃止ではなく、小型の白熱電球などは対象外となるので心配は無用(ただし技術の進歩によりこれらも代替が効くようになれば、さらに規模が縮小する可能性も否定できない)。

白熱電球の生産数では東芝ライテックは第二位のシェア・約35%を占めるという。また、国内初の白熱電球実用化を果たすなど、歴史的に付き合いも長い。その同社が白熱電球の製造の事実上中止を表明したことで、他社がこれに追随し、あるいはその流れが加速するものと思われる。


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