「www」=「大爆笑」!? 若年層に広がるネット用語

2008年03月19日 06:30

wwwイメージアイシェアは3月18日、20~30代のネット利用者における、インターネットの利用状況や略語利用に関する意識調査の結果発表を行なった。それによると「www」という表記に対して20代の6割、30代の4割が「World Wide Web」ではなく「大笑い、大爆笑」と答えていることが明らかになった。ジェネレーションギャップを感じさせる調査結果といえるかもしれない(【発表リリース】)。

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今調査は無料メール転送サービスのCLUB BBQの会員を対象に3月11日から13日の間に実施されたもの。年齢階層は20~30代限定で、20代44.6%・30代55.4%。有効回答数は472名。携帯電話向けサービスを利用している人に限定されているため、世間の実情とは多少のずれが生じている可能性がある。

調査結果では「ブログや掲示板へのコメント書き込み率は76.3%」「自宅でのインターネット利用率は97.5%」など、インターネットを介したコミュニケーションが社会生活において欠かせないものとなり、広範囲に浸透していることが把握できるデータが出ている。いわば新しい「他人とのコミュニケーション手段・言語」が登場したといえるだろう。

その「他人とのコミュニケーション手段・言語」において使われる言葉の中でも、今までの表現でいえば「方言」にあたる略語について、興味深い結果が今回の調査で出ている。「www」という表記で何を想像するかと尋ねたところ、30代では4割強、20代にいたっては6割強が「大笑い・大爆笑」と答えている。

「www」といえば意味は?
「www」といえば意味は?

二者択一で、どちらも正解、「印象深い、自分がよく知っているのはどちらか」というニュアンスのある質問だが、特に若年層では「URLにつけられる枕詞的な表記でWorld Wide Webの略称」ではなく、「『笑(い)』のキーボードタイプ上の表記waraiから生まれた略語『w』がたくさんついた、つまり『大笑い』」の印象が強いことになる。

上記表では明らかにされていないが、「World Wide Web」と「大笑い」の境目は30~31歳とのこと。現時点においてはこの年齢が「ネット略語におけるジェネレーションギャップの発生ライン」の一つなのかもしれない。

一方、【gkbr、ktkr、今北産業……よく見かけるが意味が不明なネット用語ランキング】で紹介したような「www」も含めたアルファベット表記による略語そのものについて、どの程度使っているかという質問には「(数はともかく)使っている」が4割、ただしそのうち過半数は「1つか2つ程度」と回答している。

「w、KY、ktkr、gkbr」などのアルファベット略語を使っているか
「w、KY、ktkr、gkbr」などのアルファベット略語を使っているか

業界や世代、趣味趣向のグループなど「語られる領域」によって使用されるアルファベット略語は多種多様に及ぶ。先に略語を「方言」と表したが、実際の方言に大阪弁や秋田弁、鹿児島弁などさまざまな種類があるように、インターネット上のアルファベット略語にも多くの「方言」的な表現が存在する。それらの特殊性を乗り越えた、比較的広範囲に通じるもの、つまり「標準語に近い方言」は数個しかないと考えられているのだろう。

また、例えばビジネスの場ではスラングの英語を使うことはあまり好まれないのと同じように、アルファベット略語は身内の間や、「分かっている」間柄でないと使いにくい。ビジネスレターでいきなり「このような事態が生じ、当方まことにgkbrでございます」という表記の文面が送られてきたら、どのような印象を持つのか、容易に想像がつく。


「www」=「大爆笑」という結果はややセンセーショナルなものだが、それも含めてインターネット上でやり取りされる言葉において、新たな「方言」、そして「文化」が生まれているのは事実である。季節毎に大量に出回る飲料水の新商品のように、多くの新語はしばらくして消えてしまうが、淘汰され多くの人から支持を集めた「勝者」は末永く生き残り、普及していくのだろう。

しばらく後になって過去を振り返った際、それらの「文化」を再検証できるよう、インターネット上のスラングや略語の由来を今からまとめ、体系化しておく必要が生じているのかもしれない。


(最終更新:2013/08/10)

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