【更新】家庭用ゲーム機、普及数は任天堂陣営がトップ、プレイ時間は……

2008年03月22日 12:00

C-NEWSが3月21日に発表した調査結果によると、家庭用ゲーム機のうち所有数がもっとも多かったのは[任天堂(7974)]の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」、据え置き型では同じく任天堂のWiiだった。一方、各ゲーム機所有者の平均ゲームプレイ時間数では、全体でXbox360がもっとも長く、携帯ゲーム機に限定するとPSP(プレイステーションポータブル)が最長という結果が出た。任天堂のゲーム機は数的には普及しているが、提供ソフトの特性や方針から「短い時間でサクっと遊ぶ」傾向が強いようだ([発表リリース]>)。

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任天堂陣営強し、ただしプレイ時間は短め

今調査は3月7日と8日、家庭用ゲーム機か携帯用ゲーム機を持つ15歳~59歳の男女に対しインターネット経由で行なわれたもの。有効回答数は1000。男女比は1対1で、年齢階層比は10代・20代・30代・40代・50代がそれぞれ均等割り当て。

所有しているゲーム機について複数回答で答えてもらい、それぞれにおいて1週間どのくらいの時間を費やしているかを尋ねたところ、次のような結果が出た。全体では84.5%が何らかのゲーム機を持ち、1週間に3.1時間ゲームで遊ぶとのこと。

所有ゲーム機と1週間あたりのプレイ時間
所有ゲーム機と1週間あたりのプレイ時間

保有機数、つまり普及率では据え置き型はWiiが、携帯型ではニンテンドーDS(とLite)が最も多く、特にニンテンドーDS陣営は全体の7割近くを占めている。インターネット経由の調査であるため、ややゲーム機への傾注度が高いことを考慮しても、「40人構成のクラスで28人がDSを持っている」という状況を想像すると、いかにDSが世間一般に普及した「汎用機」というポジションに位置しているかが分かる。

一方、プレイ時間を見ると意外にそれら「汎用機」ことDSや据え置き型のWiiが、他のゲーム機と比べてプレイ時間が少ないことが分かる。これは冒頭でも触れたように、任天堂のゲーム機向けに提供されるソフトの特徴による結果といえよう。

参考になるゲーム情報は「テレビ」と「口コミ」

ゲームハードを購入するにはそれなりのきっかけが必要。どのような情報を元にゲーム機を選び、購入したのかについて尋ねたところ、もっとも多かったのは「テレビCM」だった。

ゲーム機ハード購入時に参考にした情報源
ゲーム機ハード購入時に参考にした情報源

「テレビCM」に次いで「家族や友人」「メーカーのホームページ」、さらに「テレビ番組」が続く。ゲームソフトについては情報の露出スピードや量、検索の便利さなどからインターネット上の情報が重宝される傾向にあるが、ネット関係の項目はもっとも高い「掲示板・口コミサイト」ですら7%に過ぎない。インターネット経由の調査結果であることを考えると、非常に低い値であることが分かる。

あるいはゲーム機のハード選定においては、それぞれの既存ユーザーからの「ひいき目な情報」が判断を迷わせると考え、あえてテレビや口コミ情報、発売元からの情報を重視しているのかもしれない。


調査結果の傾向として、任天堂系のハードはもっとも多く普及しているものの、プレイ時間は少ないという傾向があることが見て取れた。この傾向について「ソフトの特性や方針からプレイ時間が短くなる」と「仕方ないよね」的なコメントをしたが、もう一つの考え方として「そもそも任天堂がそのような方針のもと、ハードやソフトの提供をしている」と考えることもできる。

「プレイ時間が短い」のが問題なのではなく
「軽小短薄な短時間で遊べるソフト」を
意図的に提供する

ゲームに長時間拘束させない
任天堂の戦略の成果!?

つまり任天堂は「長時間に渡って熱中し続けるような重厚長大なゲームではなく、シンプルで短時間にケリがつき、日常生活の合間でも楽しめる」「任天堂は重厚長大型ではなく軽小短薄のゲームで」、言い換えれば「日常生活の何かを切り捨てて没頭する」のではなく「日常生活のすき間を埋める」「一日の生活の中に溶け込む」エンターテインメントを「WiiやDSというハードを用いて」提供していると考えることもできる。

これは任天堂の先の社長であり、ゲーム機メーカーとしての任天堂の創業者ともいえる山内溥氏が何度と無く語り、現社長の岩田聡社長も「任天堂スピリッツ」のような形で主張し、方針としているものである(下記関連記事リンク参照のこと)。今回のデータをみる限り、任天堂の戦略通りにゲーム機市場が動いていると見てよいだろう。

なお詳細データは公開されていないが、好きなゲームメーカーを尋ねたところ「任天堂」と答えた人が55%と過半数を占めている(「ソニー」は29%)。また、任天堂ハードについて9割以上が大体満足しているという結果もある。マニア向けの濃いソフトの展開が悪い、というわけではないが、少なくとも世間全般的な観点からは任天堂がもっとも支持されているようだ。「シンプルイズベター」というところなのだろう。


ちなみに今調査結果では「現行最新世代機」を表示対象にしており、プレイステーション2などの「前世代機」は対象外となっている(アンケート上では問い合わせの対象に加わっている)。WiiやDSの保有数が飛びぬけているように見えるのも、ここに一因があることを書き記しておく。


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