日清食品が冷凍事業の新会社「日清冷凍食品」を設立・JTとの統合計画解消の結果

2008年03月04日 08:00

株式イメージ[日清食品(2897)]は3月3日、10月1日付けで行われる持ち株会社制に移行する際に行なう組織再編において、冷凍食品事業を継承する新会社「日清冷凍食品」を新設すると発表した。先に予定されていた【JT(2914)】との冷凍食品事業の統合問題が白紙になったための措置と思われる(【発表リリース、PDF】)。

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日清食品は【JTと日清食品が加ト吉を1000億円規模のTOBで買収へ・日経報じる】にもあるようにJTが加ト吉を合併した際に、冷凍食品事業を両社と統合する予定だった。しかし例の中国製冷凍ぎょうざ問題においてJT側の姿勢に疑問を感じた日清食品側とJT側に意志の食い違いが生じ、この統合計画は2月に解消してしまった。

そこで日清食品側では組織再編成に伴いさらに本社を現行の大阪から東京に移管すると共に、持ち株会社の日清食品ホールディングスの100%子会社として冷凍食品事業を継承する受け皿会社「日清冷凍食品」を新設。日清食品の松尾昭英常務が社長に就任することになった。なお日清冷凍食品の資本金や本社の場所は現在未定。また本社の東京への移管は経営・総務・財務・法務・内部監査などの「本社機能」のみで、登記上の本社は現行の大阪のままとなる。

中国製冷凍ぎょうざ問題自身はいまだに未解決のままだが、多方面に影響を及ぼしつつある。今回のように加ト吉の経営不振を救う形で行なわれるはずだった、日清とJTをあわせた食品業界の再編においても、運命の歯車をずらされたことになる。これが吉と出るのか凶と出るのかは、時間の経過と共に明らかになるだろう。

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