【更新】JTと日清食品が加ト吉を1000億円規模のTOBで買収へ・日経報じる

2007年11月20日 08:00

株式イメージ[日経新聞]は11月20日、循環取引問題で業績が低迷している[加ト吉(2873)]に対し、[日本たばこ産業(JT)(2914)]と即席めん最大手[日清食品(2897)]が株式公開買いつけ(TOB)で買収を行ない、共同で買収する方針を固めたと報じた。同様の内容をNHKも伝えている。20日7時現在、関連企業から正式なコメントは出されていない。

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加ト吉は【加ト吉、修正決算正式発表を6月中旬に延期・大証は監理ポストに割り当て】などで報じているように役員が関与した不当な循環取引が発覚し多額の損失を抱え、経営の建て直しを迫られていた。また、今回の不祥事で新しく社長に就任した元副社長の金森哲治氏はJT出身でもあるなど、元々加ト吉とJTの間には(食品部門において)浅からぬ関係があった。

加ト吉の業績、株価が低迷する中、本業の加工・冷凍食品技術に注目する声は高まり、他社の買収や分割買収、子会社化などの噂が相次いでいた。かねてから本命といわれていたJTの「食品事業強化」、日清食品の「冷凍食品事業強化」という思惑、そして経営建て直しを模索していた加ト吉の意向が一致したことになる。

元記事によれば今TOBは11月中にも三社間で正式に合意(友好的TOBになるものと思われる)。まずJTがTOBで加ト吉の「全株式」を取得して上場廃止にした上で、そのうち49%を日清食品に譲渡。譲渡後は加ト吉株式をJT51%、日清49%の割合で保有し、JTが経営主導権を握る見通しとのこと。

本日中に正式発表がなければ、今朝にでも「ノーコメント」あるいは「否定」の第一報が関係企業から行なわれることだろう(11月27日が決算発表予定日なので、恐らくその時に正式な発表が行なわれるものと思われる)。仮に買収額とされている1000億円を全発行済み株式数の1億6417万2987株で割ると、1株あたり約609円という計算になる。20日の終値は426円なので、相当なプレミアがつく計算。正式発表のあるなしにせよ、今日以降荒い相場展開が繰り広げられることだけは間違いない。


■関連記事:
【加ト吉事件でのはてな「循環取引」とは?】


(最終更新:2013/08/18)

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