スペースシャトルに史上初「宇宙いなり」「宇宙お好み焼き」「宇宙焼き鳥」など6品目が初搭載

2008年03月12日 08:00

宇宙食イメージ[日清食品(2897)]は3月11日、日本時間の同日午後無事に出発したアメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「エンデバー号」に、搭乗する宇宙飛行士の一人土井隆雄宇宙飛行士向けの宇宙食として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した新開発の宇宙食が搭載されたことを発表した。ラインアップは初めて宇宙食に採用された新開発の「うどん」「そば」「焼き鳥」「いなり寿司」「生姜いなり寿司」「お好み焼き」の他、過去にもシャトルに搭載されたことのある「ラーメン」(しょうゆ、カレー、シーフード)の合計9品目。土井宇宙飛行士のリクエストを元に開発されたもので、同氏は搭乗前の記者会見で「うどんやそば、焼き鳥などの日本の宇宙食を食べるのも楽しみ」とコメントしている(【発表リリース】)。

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宇宙食いなり寿司、宇宙食お好み焼き、宇宙食焼き鳥の調理写真
宇宙食いなり寿司、宇宙食お好み焼き、宇宙食焼き鳥の調理写真

日清食品ではすでに2005年7月の時点で、野口聡一宇宙飛行士向けの宇宙食として世界初の宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を提供。今回搭載された類似のめん類「そば」「うどん」も、「スペース・ラム」と同様、微小重力(無重力)空間でも、スープが飛び散らないように粘度を高めたほか、スペースシャトル内で、給湯可能な70度のお湯でも湯戻し可能なめんを、小麦粉やでんぷんの配合を工夫することで実現した。また、スープと同様に、一本一本のめんが飛び散らないように、湯戻し後も形状を保持する一口大の塊状めんを採用する(特許取得)など、今までつちかった同社の技術を随所に活かしている。

また、「焼き鳥」「いなり寿司」「生姜いなり寿司」「お好み焼き」も、同社がインスタントラーメンの具材の開発で培った乾燥技術などを応用し、お湯を注ぐだけでの復元を実現している。これらはめん類のサイドメニューとして開発し、土井宇宙飛行士に、食を通して日本的な安らぎを感じていただければと考えているとのこと。

それぞれの宇宙食はこのような形でパッケージ化の上提供されるとのこと。100均ショップの惣菜コーナーか、ドライフルーツ・おつまみのコーナーに並べられていそうだ。機会があれば実際に食してみたいものだが……
それぞれの宇宙食はこのような形でパッケージ化の上提供されるとのこと。100均ショップの惣菜コーナーか、ドライフルーツ・おつまみのコーナーに並べられていそうだ。機会があれば実際に食してみたいものだが……

元々宇宙食は長期滞在する宇宙飛行士の栄養維持や精神的ストレスの低減、パフォーマンスやモチベーションの向上などを目的に開発されている。宇宙での日本食は精神的な面でのやすらぎを日本人の宇宙飛行士に与えてくれることだろう。

写真では味までは分からないが、リリースに記載されている製造工程や原材料を見る限り、「フリーズドライ乾燥」「マイクロウェーブ乾燥」などの乾燥工程以外は普通のレトルト・インスタント食品と何ら変わるところは無い。恐らく味もごく普通に美味しいに違いない。

先の参照記事などでもコメントしているが、宇宙食の技術はそのまま保存食など地上での食糧備蓄技術にも応用できる。単に宇宙時代に向けた「食文化の展開」だけでなく、地上における食の(保険的な意味)安全供給の面でも、これら「宇宙日本食」の貢献に期待したい。


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