2008年2月の新設住宅戸数、前年同月比5.0%減・底打ち感はあるが踊り場か

2008年03月31日 19:30

住宅イメージ国土交通省は3月31日、2008年2月における新設住宅戸数のデータを発表した。それによると2月の新設住宅戸数は前年の同月比で5.0%減の8万2962戸に留まり、8か月連続して前年同月比で減少したことが明らかになった。先月と比べると前年同月比のマイナスポイントの減少率が低下しており、底打ち感はあるものの踊り場の状態とも考えられる(【発表リリース、PDF】)。

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具体的な内訳は持家が2.1%、貸家は3.1%、分譲住宅は9.7%の減少。とりわけ分譲住宅のうちマンションは11.9%と先月同様非常に比較的目立つ減少率を見せた。ただ、これら列挙した数字のほとんどにおいて昨月よりさらに改善された様子が見られるものの、全体の新設住宅戸数同様にやや改善率が鈍りがちで、踊り場に来た感もある。

改正建築基準法の施行、そしてそれに伴う行政側の準備不足・不手際(特に「大臣認定プログラム」や審査担当者絶対数の不足)が昨年夏以降の住宅市場における混乱と、新設住宅戸数の減少をもたらしているのはいうまでもない。今冬以降改善の兆しが見られつつあるが、いまだに昨年の水準にまでは回復していないのが現状。

新設住宅戸数の変遷
新設住宅戸数の変遷(2008年1月分まで)

グラフや各種データを見る限り、激減した8月分からほぼ横ばいに推移していたデータも10月分からは上昇傾向を継続している。今回発表された2月分は(昨年同月比との差異が)微増でしかなくやや息切れ、あるいは一休み的な感が強いが、明らかな下降線ではなく、今後も順調な回復が期待できる。「認定ソフト」第一号の普及に伴い情勢は改善されつつあるが、他社のソフトが完成していない、そして物価上昇などで消費者の消費性向や景気そのものが落ち込み気味であることなどから、今しばらく状況の観察が必要。ただし昨月からの言にもあるように、最悪の時期は脱したと見て良い。

また、着工床面積概要も同様の下落を示しているが、前年同月比は15.0%減となり、1月の10.3%から下げ幅を拡大している。商工業の設備投資の予算が絞られているのだろうか。特にここのところ増加傾向にあった店舗用も、4か月ぶりに前年同月比で43.9%と大幅に減少しているのが気になるところ。

耐震強度偽装問題を教訓にした
「改正建築基準法」の施行

・行政の不手際などで
新築戸数などが激減
・今夏で底打ち。
本格的な再上昇の気運強まる
・2月は踊り場、
商業用店舗の減少が気になる。

国土交通省では同日、住宅着工に一か月ほど先行するといわれている建築確認件数も発表している(【「最近の建築確認件数等の状況について」発表リリース】)。これによると全体では交付数において2007年5月が前年同月比で6.5%マイナスだったのに対し6月は9.7%、7月に入ると大きく下がり39.4%、8月には24.5%そして9月には27.5%それぞれマイナスを記録しているが、10月には11.1%・11月には9.6%のマイナスと若干回復の兆しを見せていた。しかしながら12月分データでは11.5%のマイナスと、再び1.9ポイントの下落が見られた。景気全体の後退が影響し再びマイナストレンドに向かうのかという懸念もあったが、今年に入った1月のデータでは前年同月比で4.5%マイナスに留まり、ほっとさせる面もある。そして今回発表された2月データでは5.5%マイナスとなり、わずかだが悪化の傾向が見られる。ここ一年の数字の上下幅を考えれば1.0ポイントなど誤差の範囲に過ぎないが、悪化には違いなく、来月以降の動向にも引き続き注意が必要である。

国土交通省から今回発表されたデータは、先月同様改正建築基準法施行の影響の大きさを再認識させる。そして秋以降最悪期から順調に立ち直りつつあったものの、2月はややその回復振りが足踏みしている様相を見せている。【改正建築基準法で影響を受ける周辺業界たち】でも触れたように、原材料費の高騰という「絶妙な」タイミングにあわせての問題発生ということもあり、建設業そのものだけでなく周辺業界への影響も深刻さは否定できない。

他の原因もあれど、今夏以降の不景気感の一因は建設業界の問題にあり、それが周囲業界の足を引っ張っていた形。しかし今度は逆に、回復基調にある建設業が日本全体の不景気に足を引っ張られ、回復がもたつく、さらには後退する可能性も否定できない。今後も注意深く動向を見守る必要があるだろう。


(最終更新:2013/08/09)

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