中国産ギョウザから新たな有機リン化合物「ジクロルボス」検出

2008年02月05日 19:16

時節イメージ【日本生活協同組合連合会】は先ほどから緊急の記者会見を開くと共に厚生労働省に対し、先に有機リン化合物の農薬成分である「メタミドホス」が検出された「CO・OP手作り餃子(40個入り560g)」の皮と具から、「メタミドホス」とは別の農薬成分「ジクロルボス」がそれぞれ110ppm・0.42ppm検出されたと通達した。NHKが速報で伝えた。

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ジクロルボス(dichlorvos、DDVP)は有機リン化合物の農薬・殺虫剤で、農薬として開発された液体状のもの。広範囲に広がりすぐに効果が発揮され、しかも後に残ることがほとんどないのが特徴。日本では家庭用殺虫剤として販売されているが、劇薬指定が行なわれているため必要書類への記入が必要である(なお原液は劇物指定、製剤は薬事法上の劇薬指定、農業要は農薬取締法で取り扱いが定められている)。一方、中国では広く使われていたが2007年以降逐次使用・販売が禁止されている。

毒性としては先の「メタミドホス」と同様に有機リン化合物特有の症状として、倦怠感や頭痛、吐き気や下痢などの症状が出る。重い場合には意識を失ったりけいれんを起こす場合もあるが、「メタミドホス」より毒性は低い。

今回検出された検体(「CO・OP手作り餃子」)からは「メタミドホス」は検出されず、「ジクロルボス」のみが検出されたとのこと。「ジクロルボス」は「メタミドホス」と違い日本でも流通しているため、中国の製造・流通過程で混入したことを断定することはできない。しかし現在すでに多数の商品から「メタミドホス」が検出されていることや、今回検出された「ジクロルボス」の濃度は通常の「農薬」としての利用による残留農薬にしては量が多すぎるレベルのものとのことから、単に工程上のミスとして混入してしまったのではなく、意図的に混入させたか、あるいは「ジクロルボス」に落としてしまったものを処理せずにそのまま梱包した可能性が高いとNHKでは伝えている。

現在日中の調査団が相互に相手国に派遣されさまざまな調査が行われている。これらの調査を含め、今回発表された「ジクロルボス」の発見が、調査状況に変化を与える可能性が高い検査結果であることに違いはないだろう。


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(最終更新:2013/08/14)

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