【更新】中国製冷凍ギョウザ問題、波紋広がる・体調不良訴えは500人に迫る

2008年02月01日 06:30

時節イメージすでに【中国製餃子から農薬系成分「メタミドホス」検出、中毒患者発生】や各種メディアで報じられているように、1月30日に【JT(2914)】など関係各社による記者会見で大きく第一報が報じられた、中国製冷凍ギョウザ問題について、一部報道では500人近い人が体調不良を訴えていたことが明らかにされた。関係官公庁でも事態を重く見て、従来にない速さで情報の公開などを継続している。

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関連官庁の公式発表以外に、主要メディアによる独自取材による数字が乱れ飛んでおりどの数が正確なのか分かりにくいところがあるが、今のところ[日経新聞の最新版]による「1月30日以降の中毒判明者などを全部合わせると、健康被害を訴えたのは38都道府県で合計494人」がもっとも多い数となる。またこの記事では、「中国の食品安全問題を所管する国家品質監督検査検疫総局の王大寧・輸出入食品安全局長が1月30日の記者会見で、工場の生産を停止し、製品の回収を始めたこと」を明らかにしたと報じている。

関連商品として掲載された牛丼の写真イメージただしこのような問題が起きた時に多発しがちな「思い込み」も少なからずあるようで、NHKなどの報道によると少なくとも4人は分析の結果などから、今回の中国製製品とは関係がないことが判明している。

外食産業や給食事業など、多方面で影響を与えつつある件について詳細は他メディア記事などに譲ることにするが、厚生労働省では類を見ない速さで情報の展開を進めている。事態が重要・深刻かつ急速に動きつつある証しともいえよう。最新の公開情報によると、1月31日に開かれた関係閣僚会議の内容を反映した情報が即日公開され、告知されている(【中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害事例の発生について(第4報)】)。

それによると

【各都道府県別の連絡先一覧の公開(PDF)】
・特別相談窓口の電話回線の増設(休日も連絡可能)
・日本医師会に対する「関連すると思われる患者を診断した際には保健所に速やかに通報する」旨の喚起
・問題となった天洋食品工場で製造され輸入された商品(つまり現在「問題」とされ回収が進められているもの)の一覧について一部商品の写真追加(【該当ページ】)
・本件に関わるQ&Aの公開(【該当ページ、PDF】)


などが挙げられる。今後現地中国や日本国内の流通関係における調査が進むに連れ、新たな事実も明らかにされることだろう。

上記「Q&A」中でも記載されているが、現時点において大きく問題視されているのは「メタミドホスについては相当程度の量を摂取しなければ中毒症状は呈さないこと」「包装からメタミドホスが検出されていること」などから相当量が混入されている可能性が高いこと。「幅広い観点から調査を行う必要がある」とリリースでは表現されているが、これまでの類似問題の事例のように、間違って混入してしまった以外の可能性も考慮して調査する必要があるのかもしれない。

また、同じく「Q&A」で指摘されているが、最初の中毒症状が発生してから一か月ほど経ってようやく情報が大きく公開されたことも問題とされている。株式市場関連の観点では、同時期のJTの株価が「従来ならディフェンシブ銘柄の筆頭として挙げられていることもあり、東京市場全体が上げ下げを繰り返し、いくぶん持ち直す時期もあったにも関わらず、12月末以降一様に下げ続けている」こと、「出来高がこの時期にやや増加している」ことなどから、一部ではインサイダー情報による売り抜けがあったのではないかとも指摘されている。

直近三か月のJT株価。出来高・株価そのものあわせ、「?」マークが頭に浮かんでもおかしくないような動きをしている。
直近三か月のJT株価。出来高・株価そのものあわせ、「?」マークが頭に浮かんでもおかしくないような動きをしている。

似たような話では先日大きく伝えられ現在も進行中の、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルによるトレーダーの不正取引事件において、事態を把握した銀行側が公式に発表するまでの間に自社株などを売り抜けたものがいるとして、監査役など複数の経営陣に対し調査が及んでいるとも伝えられている。今件についても状況の進展次第では何らかの問題に発生する可能性がまったくないとは言えない。

ともあれ、口に入るものにおける健康被害ということで、直接一人一人に大きな影響が及びうる話なだけに、「対岸の火事」を決め込むわけにもいかない。今後もニュース報道に注意深く耳を傾けつつ、自分で出来ることから身を守らねばならないだろう。

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