現金抱えた大手投資家達がアメリカ市場を「買い場」と判断!?

2008年02月04日 06:30

【Financial Times】が2月1日に報じたところによると、ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏やウィルバー・ロス(Wilbur Ross)氏、ロン・ペレルマン(Ron Perelman)氏など手持ちの現金を豊富に抱えている大手投資家たちが、金融信用不安などで打ちのめされた状態のアメリカ市場に対し、「いただきます」をしようと、つまり買い行動に移行しようしている動きがあると伝えた。FT紙ではこれを「ハゲタカ投資」の新時代がやってくると表現している。

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数年来高騰を続けた市場展開によって脇役扱いされてきた「バリュー投資家」たちだが、昨今の金融不安による株価急落はむしろ「割引価格で販売中」として見えるようで、この状況が「株式を、そして企業を購買するよい機会の提供だ(まさに「自分たちの出番だ」)」と信じているという。

ウルィバー・ロス氏いわく「投資対象案件が多すぎる」

米国における企業再建の分野で最も著名な金融投資家で数々の斜陽企業の再建を手がけ、フォーチュン誌からは「再建王」の異名を受けたウィルバー・ロス氏はFT紙に対し、「最近は投資対象に該当しそうにみえる案件が多すぎる。むしろそれらの案件を整理し、本当に投資する価値のあるものなのかをチェックする方が忙しい」とコメントしている。そして彼は先日40億ドルものファンドを一旦閉じ、保険や住宅抵当権、自動車部品部門に投資をすべく動き出したとも伝えている。

ウォーレン・バフェット氏(に近しい人)いわく「こんな安売りなら何かが起きるだろう」

バフェット氏はといえば先に【今度は金融保証事業に参入・見えてきたバフェット氏の新たな投資戦略】などで伝えたように60億ドル程度の取引を過去数か月の間に実施した。しかし手元の現金450億ドルに対してまだ1割強にしかすぎず、残りの400億ドル弱は手付かず。「バフェット氏の本命的な投資はまだだよ」と、カリフォルニアの資産マネージャーでバークシャーの株式を持ち、バフェット氏と親密であるというMohnish Pabrai氏は語っている。そして氏は次のように述べている。「こんな感じの株式市場での大バーゲンセールが起き、バークシャーがキャッシュを持っている状態なら、何かが起きるだろうね」と。

ロン・ペレルマン氏いわく「買いのチャンス」「半年のうちに興味深い状況に」

また、企業買収でさまざまな問題を起こしながらも多額のキャッシュを手に入れたことで知られているロン・ペレルマン氏は現状を「buying opportunity(買いのチャンスだ)」と語ると共に「今後半年の間に、非常に興味深い状況を見る機会を得られますよ」とFTとのインタビューに答えたという。

そして格付け会社のS&Pも顧客に対し「銀行やメディア、消費など多数のセクターに及んでいる不調な(そして株価が低迷している)企業に対し、彼らバリュー投資家たちが探りを入れ、行動準備を始めている」と言及しているとのこと。


彼ら「バリュー投資家」のゴーストが「今が買い場よ」とささやき出したのか、それとも今後近いうちにそのような「買い場」が訪れるのか。これらの言及からだけでは分かりにくい。しかし彼らが「臨戦態勢」についていることだけは確かである。

そして彼らが動けばその規模は非常に大きなものとなり、必ず公知される。「市場全体が買い場に突入した」という判断には早急だが、少なくともそのセクターや関連企業については、彼らバリュー投資家の動きが見られれば、「今が買い」と判断したと見なしてよいのだろう。


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(最終更新:2013/08/14)

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