【更新】言葉通り「自腹を切る覚悟」・夕張市が市有財産をインターネットオークション売買

2008年01月04日 08:00

オークションイメージこれまでにも地方公共団体が市有財産や差し押さえ商品をインターネット経由でオークションにかけて売却する話は何度かお伝えしてきた。現在財政再建団体に指定され、財政の建て直しを図っている北海道の夕張市でも、不要となった市有財産を売却するインターネットオークションの第二弾の入札参加を受け付けている。告知は[夕張市の公式サイト]でも行なわれているが、システムとしてヤフーオークションのものを用いるため、【ヤフーオークションの専用ページ】に出展商品の一覧が掲載されている([参照:日経新聞]>)。

スポンサードリンク

夕張市は主産業の炭鉱の閉鎖やそれに伴う人口の減少、元市長の市政の失敗などから財務が事実上破たん。負債は350億円以上にのぼり、2007年には財政再建団体に指定され、厳しい制限の中で再建を推し進めている。

今回の市有財産売却のためのインターネットオークションもその一過程。第一回目は2007年の8月に始まり、9月13日に締め切られた時点で121点の出品のうち106点が落札。落札総額は予定価格の2倍近い900万円となった。夕張市の分譲宅地や公用車、旧北海道拓殖銀行の夕張支店のプレートなど、話題性に富むものが出品・落札され、当時も大きく報じられたので、ご記憶に新しい人も多いと思われる。

第二回となる今回は、2007年12月5日から受付を開始しており、締め切りは1月16日。通常のヤフーオークションの売買より時間がかかるシステムが用いられているため、注意が必要となる([詳細はこちらを参照]>)。

今回入札を受け付けているのは、昭和時代の懐かしいアイテムを中心にした計70点。昭和20年の横綱の手形や日本コロンビア製の稼動可能な蓄音機やSPレコード、テーブルテニスが出来る非常に古いタイプのテレビ接続型テレビゲーム「ワコービデオ TV-GAME」、アンティークの部類に入る電話機、軍用のかばんや水筒、ラッパ、昔はどこの家庭でも見かけたちゃぶ台、そして分譲地など。

オークションで入札受付中の商品(一部)。即博物館行きしてもおかしくないようなものがずらりと並ぶ。
オークションで入札受付中の商品(一部)。即博物館行きしてもおかしくないようなものがずらりと並ぶ。

分譲地以外はそれこそ「何でも鑑定団」に即鑑定してほしいようなアイテムがずらりと並んでいる。

元記事によればこれらのアイテムの多くは、夕張市選出の元北海道議会議員の故石川十四夫氏が市に寄贈した秘蔵品。骨とう品というレベルを超え、歴史的価値すら見出せるアイテムも数多く見受けられ、予定価格をはるかに上回る価格での落札が予想される。

歴史的価値のある品々が流出してしまう可能性があるのは残念だが、これで少しでも夕張市の財政にプラスとなるのなら幸いである。もっとも前回の落札総額から見るに、国なり別の地方自治体、あるいは有志がまとめて買い上げて博物館に寄贈するという手もある気がするのだが、どうだろうか。


■関連記事:
【リゾート物件を格安価格で・官公庁の不動産オークションスタート】
【ヤフーによる官公庁ネット競売が好調、1年間で落札額は倍増へ】

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ