今日から出来る がんを防ぐための12か条

2008年01月03日 19:30

医療イメージ先に【今日から出来るがん予防法8か条+α】を載せてから一年近くが経過した。がんに関する記事はその後もいくつか掲載し、当方(不破)自身もがん保険に加入した。親戚の一人ががんで命を亡くしているというのもあるが、自身はもちろん日本人すべてにとって「がん」はできれば避けたい、しかし現実には身近な問題になりつつある。そこであらためて、【財団法人がん研究振興財団】が無料で配布している【がんを防ぐための12か条(PDF)】から、「今日から出来る がんを防ぐための12か条」についてリストアップしたい。前回の「8か条+α」と比較するのも趣があって良いだろう。

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●1:バランスのとれた栄養をとる

医食同源という言葉にもあるように、食生活は身体の状態に大きな影響を及ぼす。日本人の食事の西洋化ががんをはじめとした三大成人病(他は心臓病・脳卒中)の増加の一因とも言われているくらいである。

西洋化された食生活を止めろ、とはいわないが、偏食をつつしみ、バランスのとれた食事をとることで、発がん率を低下させるのはもちろん、健康状態を維持することにもつながるだろう。

●2:毎日、変化のある食生活を

極論としてすべての食品にはがんのリスクがあるといってもよい(要は確率論の問題)。それでも即効でがんにならないのは、量があまりにも微量過ぎて他の成分や体の自浄能力で分解されたり、押し流されてしまうから。

この考え方からすると、同じ食品ばかりをパターン化して食べていると、同じ成分ばかりが身体に入り、分解や自浄能力を超えてだんだんと蓄積され、がんの発生の可能性を高めてしまうことになる。どんなに身体によいからといって、同じ野菜ばかり食べてはいけないというわけだ。

先日ある人から「昔の人も質素な食生活で同じものばかり食べてたけど、あれはいいの?」という質問を受けた。これは諸説あるだろうが、昔の食生活上の食品は元々が「リスク」が現在の食品と比べればケタ違いに少なく、例え同じような食事が続いても人間の自浄能力で何とかなる範囲だったのだろうと思われる。いわば、「少量のごみなら川や海の力できれいにしてくれるが、現在のごみの量では自浄能力の限界を超えているので環境も悪化してしまう」というのと同じだろう。

ともあれ、特にインスタントや加工食品によるワンパターンな食生活には気をつけるべきだ。

●3:食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに

ギガ食品イメージ最近メガ食品が流行りだが、食事、特に動物性脂肪分の取りすぎはがんの発生とも関係があることが指摘されている。「長生きの秘訣は腹八分目」という言葉があるが、昔の人たちは経験からその事実を知っていたわけだ(もっとも、食糧不足が慢性化してぜいたくはするな、といういましめという意味もあったのだろうが)。

●4:お酒はほどほどに

「酒は百薬の長」ともいうが、これも程度問題。飲みすぎは肝臓がんだけでなく口腔がんや食道がんなどにも関係があるといわれている。また、お酒好きな人はつまみも食べずに酒をたしなみ、栄養のバランスがくずれてしまう、というのも一因。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉も当てはまろう。

●5:たばこは吸わないように

愛煙家の方々からはまたクレームが来そうだが、喫煙とがんリスクの関係はこれまでにも何度と無く当サイトの記事でお伝えしたとおり。これも確率論の問題で、ヘビースモーカーでもがんにならない人も山ほどいるが、平均的な問題としては関連性は否定できない。自身だけでなく周囲にもリスクを広めるたばこは、できうる限り避けるべき。

また、統計学的にたばこを吸い始める年齢が低いほど、肺がんにかかりやすいというデータも出ている。いまだ喫煙の経験がない人は、これから新たに口にするのは、がんのリスクを考慮すると止めた方が望ましい。

●6:食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる

ビタミンの多くには発がんを防ぐ働きもあることが知られている。また、野菜などに含まれる繊維質にも同様の働きがあるらしい。さらに繊維質は大腸の働きを活発にして便通をよくし、腸内の発がん性物質の濃度を薄める効用ももたらす。

「ビタミン剤や健康食品でまかなえばいいのでは」という意見もあるが、元々自然体で無いものから栄養素を採った場合、成分そのものは同じでも同じ効果を表すと言い切れるかどうか。これらの手段は便利ではあるが、緊急時以外は極力一般の食品から摂取した方がよいにこしたことはない。

●7:塩辛いものは少なめに あまり熱いものはさましてから

塩分摂取量が多いと身体にかける負担が大きくなることが知られている。身体の各器官への過負荷はがんへのリスクを飛躍的に高める一因にもなる。統計学的にも塩分を多く採る地域ほど、一部がんのリスクが高い、という傾向がある。また、極度に熱いものも負担をかけるという意味では同じ。

もちろん塩分そのものは身体に必要不可欠。塩分をひかえすぎるとかえって身体をダメにしてしまう。とはいえ、適度な減塩ががんはもちろん他の成人病のリスクも軽減することになることは知っておいた方がよいだろう。

●8:焦げた部分はさける

焦げた食品イメージパンや魚の焦げた部分に対する発がん性のリスクは、それこそ真っ黒こげの魚を何十匹も一時に平らげないと明らかな数字として出てこない、という話がある。焼け焦げた部分に含まれる発がん性物質は調理温度が高いほど、長いほど量が増えることで知られているが、それでも「いっぺんに」摂取する考えではさほど心配は要らない「かもしれない」。

しかし先の「毎日、変化のある食生活を」でもふれたように、発がん性物質は他の要因で消えない限り、蓄積されうる。そのようなやっかいな物質をわざわざ体内に多く残すようなことをする必要はないだろう。焦げた部分は避けた方が無難であるに違いはない。

●9:かびの生えたものに注意

ペニシリンの材料となったりチーズを作り出したり、日本種やしょう油、みそには欠かせない「かび」ではあるが、放置したことで新たに食品に生えるかびのほとんどは有害で、強い発がん性が認められるものもある。

ずぼらな食品管理でかび付の食品を口にすることのないよう、くれぐれもご注意を。

●10:日光に当たりすぎない

太陽に当たる事は精神的にも肉体的にもプラスとなることが多いが、それも過ぎたるは及ばざるがこどし。特に太陽光の中でも紫外線は、皮ふにはあまりよい刺激を与えないことが分かっている。あとでヒリヒリするほどに日焼けするのは、できれば避けたほうがよい。

……だからといって一日中閉じこもっているのがよい、というわけではないので、念のため。

●11:適度にスポーツをする

ジョギングイメージ身体に適切な負荷を与えてエネルギーを発散させることで、肉体的だけでなく精神的にも疲労が解消される。逆にもやもやとした気分が続いて余計なストレスがたまったり、健康状態が悪化すると、生理機能が低下し、がんのリスクも高まるという。恐らくは、体調不良が体の自浄能力をも低下させ、発がんリスクを高めるものと思われる(動物実験でもそのような結果が出ている)。

いすに一日座っている仕事のヒトに、大腸がんが多いという研究結果もあるという。気分転換、そして健康維持のためにも適度に身体を動かす事は必要だといえよう。

●12:体を清潔に

体を清潔にすることで、皮膚がんや陰茎がん、子宮頸がんなどを「ある程度」予防できるという統計データがある。完全に防げる、というわけではないが、リスク要因の一つを減らせるということだろう。

それに体を清潔にすれば気分も晴れやかになり、精神的にものびのびできる。必然的に生理機能も活性化し、自浄効果も期待できる。不潔してもあまり良いことはないようだ。


「がんを防ぐための」と大それたことを書いているように見えるが、いざリスト化してみると意外に簡単なことばかりであるのが分かる。ただそれらについてわざわざ「防ぐ」項目としてリストアップされているということは、多くの人の日常生活においていかに実践されていないかも分かろうというもの。

「簡単なことこそ難しい」とはよくぞ言ったものだが、明日からとはいわず今日、今からでも、できることからはじめてみよう。今日明日のレベルですぐに劇的な変化が生じるわけではない。しかし長い目で見れば、がんだけに限らずさまざまな病気に打ち勝つという意味で、きっと自分にとってプラスになるに違いない。


(最終更新:2013/09/08)

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