東証が1株あたりの売買価格を小刻みに・今夏にも導入

2008年01月30日 06:30

東京証券取引所は1月29日、1株あたりの売買価格(呼値)の単位を一部において縮小することとし、その制度に関するパブリックコメントの受付を開始した。来年後半に予定している次世代システムの稼動に先立つ変更であると東証側では説明している(【発表リリース、PDF】)。

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リリースによると今回の呼値変更は「近年の取引の高度化・多様化を背景として、細やかな値段での価格形成に対する需要が一段と高まってきていることを踏まえ」て「効率的な市場環境を提供して投資者の利便性向上を図る観点」から実施するというもの。

具体的には、

1株の値段が10万円超~30万円以下の場合、呼値の単位を現行の1000円から100円に変更し、1株の値段が100万円超~300万円以下の場合は、現行の1万円を1000円に変更。

例えば株価が15万円の株式の場合、現在は15万1000円、15万2000円というように1000円刻みでしか注文できない。しかし制度変更後は15万100円、15万200円、15万300円……という形で100円刻みで注文できるようになる。


という具合になる。今制度は今夏をめどに導入される予定。

東証ではすでに【東証、正式に「売買単位を最終的に100株に集約」を発表】にもあるように、次世代システムの導入と共に売買単位を100株にまとめる予定。これにあわせ今回は呼値のルールも変更することになる。

また、今回発表されたパブリック・コメントによると、来年の次世代システム稼動後には他の価格層においても呼値の変更が行なわれる予定。例えば30万円超~50万円以下においては現状1000円単位のところが500円単位になる。

呼値の変更がどこまで投資家の便宜性を高めるのかは未知数だが、俗にいう「見せ板」の数が増えて売買状況が把握しづらくなるということのないよう、不正取引への取り締まり強化も合わせてお願いしたいところだ。


(最終更新:2013/08/14)

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