急速なドル安進む、一時1ドル108円台前半に突入

2008年01月04日 08:00

株式イメージ先に【原油先物相場再び急騰、初の100ドル台に】の中でもお伝えしたように、ドル相場が昨年末から年始にかけて急速に下落を続けている。日本時間の1月3日20時頃には一時1ドル108円26線付近まで円が上昇した。その後発表されたアメリカの各経済指標が強めの内容だったためにドルが一部買い戻され値を戻したものの、1月4日6時現在では109円前半で推移している。昨年末のクリスマス前後からは5円近い円高ドル安状態という計算になる。

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昨年末からくだんの「サブプライムローン」問題に端を発する住宅需給問題が今年も続く、あるいはさらに悪化するのではないかという懸念や、経済界著名人たちの相次ぐドル安発言、それを裏付けるかのような経済指標の悪化から、ドルは年末にかけて一挙に売り込まれた。12月27日以降は急速にドル安が進み、年明けの現地時間で1月2日には一挙に110円の心理抵抗線を突破し109円台に突入。

昨年末からの円ドルチャート
昨年末からの円ドルチャート(【フォレックスチャンネル】より)

さらに108円台まで一挙に下落するも、発表されたアメリカの雇用関係の指標が(市場予想より)強めだったことを受けてドルの買戻しが入り、109円台に持ち直している。

円は対ユーロでも円高基調。今年に入ってからは対ドル同様のチャートを描き、急速に円高が進んでいる。

昨年末からの円ユーロチャート(同上)
昨年末からの円ユーロチャート(同上)

概してユーロ・ドル間は小動きで終始していることから、主にドル安・ユーロ安ではなく円高で為替が動いているものと思われる。

産業構造的に輸出産業が多い現在の日本では、(従来自国通貨の価値が高まる事はプラスに働くはずなのだが)痛手を受ける大手産業が多い。ざっくばらんに説明すると、海外で同じ現地通貨分だけ利益をあげても円高になれば、それだけ実入りが減るからである(1ドルの利益をあげても1ドル200円の時には200円の利益になるが、1ドル100円にまで円高が進むと日本円では半分の100円の利益になってしまう)。

輸出部門に力を入れている企業の多くは外国為替取引でヘッジをしていたり、あらかじめ交換レートを設定して予想を立てたり急速な為替変動に備えている。しかし市場参加者が少なく為替そのものが通常よりも乱高下しやすいとはいえ、年末年始のお休みが開けて仕事を再開してみたら1ドルあたり5円も為替が動いていたという状況は、あまりにも急速な値動きとしか表現のしようがない。

さらにFX(外国為替証拠金取引)に参加している個人投資家の多くは、年末年始も眠れない思いをしていたことだろう。一部の人はこの急変で一財産築いたかもしれないが、少なからずは「開いた口がふさがらない」状態に陥っているものと思われる。

原油の高騰と為替の急変という、相乗効果でお互いがさらに急変しうる二要素によっていきなりバックドロップを受けた形で、今年の取引をはじめる東京株式市場。本日は大発会で、前場のみながら今年初めての市場取引となるが、どのような展開を見せるのか。色々な憶測が飛び交っているが、年始からスリルある展開はご遠慮願いたいところだ。

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