詳しくは「○×で検索」……広告を見てケータイで検索した人は3割超

2007年12月29日 12:00

モバイルイメージ【ケータイ検索はヤフー>グーグル>公式・絞込み検索を使いこなす時代へ】などにもあるように、かつては「インターネットへのアクセス」すら珍しいとされていた携帯電話も、今やパソコンと同じように検索が縦横無尽に使われるようになった。【Japan.Internet.com】などの調べによると、最近流行の広告「詳しくは『○×』で検索」という、携帯電話での検索を利用者にお願いする手法も着実に広まっているようだ。

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今調査は12月19日から20日、携帯電話を持つ人10~50代の男女300人に対して行なわれたもので、男女比は1対1。年齢階層は10代・20代・30代・40代・50代それぞれ均等割り当て。調査数がやや少なめのため、世間の実情とはぶれが生じている可能性がある。

広告を見てケータイでチェック……QRコードや空メールがメイン

移動中に目にした広告、例えば電車の釣り革や壁上、あるいはポスター、読んでいる雑誌などに掲載されている広告ついて、「携帯電話を利用して」何か行動を起こしたことがあるかとたずねたところ、もっとも多かったのは「QRコード(四角形のモザイクのようなバーコード)を読み込んでアクセスした」で、4割強を数えた。

移動中の広告を見て、携帯電話を使って具体的な行動を起こしたことがあるか。
移動中の広告を見て、携帯電話を使って具体的な行動を起こしたことがあるか。

QRコードの次に多かったのが、指定されたメールアドレスに空メールを送り、URLにアクセスするというもの。その次が直接URLの打ち込み。そして単語を入力しての検索に続く。「何も行動したことはない」は25%、「そもそも携帯電話でネットは使わない」は15.7%だった。一部重なる部分があることを考えると、3割強は「携帯電話を持っていても広告を見て何か行動を起こす事はない」と見てよいだろう。

QRコードや空メール
「○×」はこちら……
すべてが目的サイトへの
簡単なアクセス手段の
提供に他ならない

QRコードにしても空メールにしても、「いかに見てもらいたいサイトへのハードルを低くするか」という工夫に他ならない。「URLの打ち込み」にしても極力短いURLにしようと広告側では努めているはずだ。「広告に目が留まり、ちょっとでも興味を持ってもらったら、その興味が時間の経過と共に失われる前にハートをつかめるよう、すぐに対象サイトにアクセスしてもらうようにする」にはどうすべきか。広告提供側も色々と考えているわけである。

「詳しくは『○×』で検索」、でもちゃんとたどりつけてる?

最近よく見かける「詳しくは『○×』で検索」もその仕組みの一つ。QRコードは簡単に操作できるが、「その場で取り込みしなければならない」という短所を持つ。電車の中でいきなり携帯電話をかざして撮影、というのは気恥ずかしいかもしれないし、満員電車の中では難しい話。空メールを送る・URLの打ち込みも、その場で打ち込みしない限りにおいては、広告に書かれているアルファベットの羅列を暗記しなければならない。これも容易な話ではない。

一方、「詳しくは『○×』で検索」でなら、比較的短い、しかも分かりやすい特定キーワードを覚えておくだけで済む。広告のある場所から離れても「そういえば、○×で検索とか書いてあったな」と思い起こすことが容易。「とにかく簡単に覚えてもらって(ハードルを低くして)多くの人に見てもらう」のが広告の意義である以上、このポイントは大きい。

しかも最近では「携帯電話上で検索機能を用いる」ことに対する抵抗感が無くなっていることもプラスに作用する。今後携帯電話向けにも「詳しくは『○×』で検索」方式による読者誘導はますます増加してくるに違いない。

一方、「検索して探してね」で誘導して、その意図通りにサイトへ誘導できたかというと、幾分怪しげな結果が出ている。「ワード検索で調べたいことが見つかったか」という設問には、「簡単に見つかった」人が4割強いるものの、「なんとか見つかった」という人が5割以上を占めている結果になっている。

■ワード検索で調べたいことは見つかったか(広告を見て「ワード検索をした」人に対して)

・簡単に見つかった……43.5%
・なんとか見つかった……52.2%
・見つからなかった……4.3%


「見つからなかった」という人が4%強もいるのはもったいない話。そして52.2%もの人が「'なんとか'見つかった」と、検索しても簡単に対象サイトが見つからなかったと回答している。

検索したキーワードを勘違いして入力した場合もあるだろう。しかしそれ以外の状況としては、「詳しくは『○×』で検索」で指定したキーワード「○×」で効果的なSEO(検索エンジン対策)を施してなかったり、検索エンジンへの広告掲載を怠っていた、あるいは広告を掲載して一番目立つ場所に表示されているものの、その広告の説明文のセンスが今ひとつで検索した人が「このサイトが目的のサイトだ」と気が付かなかったことなどが想定できる。


検索でサイトへ
誘導する場合、
すべての人がすぐに
目的地にたどり着ける
優しいガイドが必要

「苦労したかもしれないが9割5分がたどり着いたから良いではないか」と割り切る人もいるかもしれない。だが「なんとか」の人たちの、その時点でのサイトに対するモチベーションは下がっていることが容易に想像できる。できれば全員が「簡単に見つかった」と回答させるように(検索サイト上の広告テキストの面などで)工夫が求められよう。

また、現在は検索サイトの利用が普及しているからこそ、この「詳しくは『○×』で検索」が有効活用されているに他ならない。さらに「トップに(広告を使って)表示させるには広告費が必要」「SEOはあくまでも検索エンジン側の都合。自分の都合で順位が変動されるわけではないので不確定要素が多い」などの短所も多い。

将来別の機能が普及する、あるいはアイディアが生み出されて、もっと簡単で覚えやすいなどメリットが多い(ハードルの低い)「目的サイトへの誘導方法」が見つかれば、そちらの方法が多用されることになるのだろう。

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