地デジ対応テレビ、「完全移行直前」が約3割、「買替済み」「テレビはもう見ない」も1/4を占める

2007年12月29日 19:00

テレビイメージ2011年にテレビ放送においてアナログ形式が終了し、完全に地デジ(地上デジタル放送)に切り替わるのに際し、地デジ対応テレビへの買い替え時期について当サイトが独自調査として投票を募ったところ、2011年の直前に買いかえると答えた人が全体の3割ともっとも多くの割合を占めた。一方で、すでに買い替え済みである人や(地デジに移行したら)「テレビそのものはもう見ない」と答える人も1/4に達するなど、地デジへの完全移行で大規模な「テレビ変革」が起きる予見を感じさせてくれる結果となった。

スポンサードリンク

今調査は【「2011年直前にテレビ買い替え予定」は4割強・地デジ完全切り替えに向けて】で記事として掲載した、地デジに関する調査結果レポートをきっかけとして11月26日から本日12月29日までの間に行われたもの。IPレベルで一定期間内の重複投票は弾いており、ある程度の信頼性は担保できるものの、投票数自身が44票と少なめのため世間の実情とのぶれが生じている可能性は否定できない。

「地上デジタルテレビ放送」こと「地デジ」は新世代のテレビ放送形式で、現在まで主流の座にある「地上アナログ放送」にとって替わる方法として急速に普及が進んでいる。また、2011年7月には地上アナログ放送による放送が停止され、原則として地デジ未対応アナログテレビではテレビ放送が受信できなくなる(つまり「テレビが見られなくなる」)。

地デジ(地上デジタル)放送への切り替えは現在のところ2011年7月には全面移行することが決定しており、それ以降は現在のアナログテレビだけではテレビ放送が受信できなくなる。一方で、十分な告知活動は行うに違いないが、それでも2011年7月になると「テレビが映らない。どうしよう」と(地デジ未対応のテレビでは放送が受信できなくなることを理解せずに)困る人が多数現れるものと思われる。

総務省ではこれを憂慮すべき事態であるとし、例えば低所得者層に無料あるいは安価な価格で「アナログテレビに取り付けることで地デジ放送を閲覧できるチューナーを提供する」ことを検討している。そして12月25日にはその「簡易チューナー」の仕様が発表された(【発表リリース】)。ただしこの仕様で果たして目標としている5000円程度の価格で商品化が可能かどうかはまた別問題であり、実際各メーカーからは「難しい」との声が上がっている。

投票の結果は次の通り。得票順にではなく、分かりやすいよう時系列順に並べてみることにする。

■地デジテレビ買換時期は?

もう買い換えた……(13票/29.5%)
・2007年中に……(0票/0.0%)
・2008~2009年……(1票/2.3%)
・2010~2011年……(11票/25.0%)
・2012年以降……(1票/2.3%)

・チューナーで対応……(2票/4.5%)
・CATVで対応……(3票/6.8%)
・ワンセグ携帯やPCで……(0票/0.0%)
・テレビはもう見ない……(11票/25.0%)
・その他……(2票/4.5%)


もっとも得票が多かったのは「すでに買い換えている(地デジ対応テレビを使っている)」で29.5%。3割近くの人のテレビが地デジテレビで番組を見ていることになる。これは先の記事にあるように「地デジテレビに買い換えよう」ではなく「テレビを買いかえる際、せっかくだから地デジ対応版にしておこうか」という意図によるものがほとんどを占めていると思われる。

買い換え済みは3割に登る。
直前買い換えは多く、
チューナーなどで対応する人も
少なくない。
一方でこれを機会に
「テレビ視聴を止める」人も
25%に達している。

一方で、北京オリンピックやワールドカップなどのスポーツイベントにあわせて買いかえる人はあまりいないようで、むしろ「切り替え時期を間近にひかえ、該当機種も増えて値も下がっていることが予想される」完全切り替え直前の時期に買い換えを考えている人が1/4と、まだ未対応テレビを使っていて買い換え時期について考慮している人の中では一番多かった。

また、チューナーを用いたりCATVを使うなど、現在のテレビをうまく活用する人たちもそれなりに見受けられる。とはいえ合わせても1割程度なので、あくまでも少数派なのだろう。

むしろ驚かされたのは「テレビはもう見ない」と答えた人が11票・1/4もいたこと。先の記事でも21.4%の人が「地デジテレビには買い換えない」と答えているが、【「新聞没落」…週刊ダイヤモンド最新号を読み解く】などにもあるように「地デジへの完全切り替えに伴い、テレビでテレビ番組を見なくなる人が急増し、テレビの影響力に大規模な変化が生じるのではないか」とする説がささやかれている。今回の調査でもほぼ同じ値の2割強が「もうテレビは見ない」と答えており、「現状においてですら」この説の信ぴょう性が高いことが分かる。


昔のように情報が一方向から垂れ流しできる時代と違い、携帯電話やインターネットで多数間相互交換の形で、情報を共有することができ、波及されうるのが今の時代。かつては可能だった「恣意的な情報提供」もすぐに検証され、情報操作や問題があればすぐに指摘され非難を浴びる。最近テレビをはじめとしたマスメディアに対し「変だよな」「何かおかしくない?」「つまらない」という意見を以前と比べて多く耳にするようになったが、あるいは「昔から今にいたるまで同じようなことが繰り返されているだけで、今のネット社会になってようやく『化けの皮がはがされた』だけ」なのかもしない。

もし「化けの皮」の下に潜む真の姿が、利用者にとって好むべきものでなければ、2011年の地デジ完全以降は彼らにとって「よい機会」となるのだろう。テレビの代わりになるものなど、今では山ほど用意されている。彼らには何の心配も要らない。

2011年のタイムリミットまで4年足らず。それまでに「心当たりのある」メディアは自らを見つめなおし、身を正すことができるだろうか。むしろ最近になって一層「化けの皮を厚く」したり、堂々と「化けの皮の下に潜む真の姿を見せ付けている」ところにとっては、全面移行までの毎日は、後々に考え直せば色々な意味での「カウントダウン」になるのだろう。


(最終更新:2013/08/18)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ