銀イオン 実は少量 効果ナシ

2007年11月28日 06:30

セボンイメージ公正取引委員会は11月27日、【アース製薬(4985)】が販売しているトイレ用の芳香洗浄剤4種類(「銀イオン+フッ素コートセボン 容器付」「銀イオン+フッ素コートセボン つめかえ」「銀イオン+フッ素コート液体セボン 容器付」「銀イオン+フッ素コート液体セボン つめかえ」)について、銀イオンで色々な効果があると称していたにも関わらず、実際には銀イオンによる効果(除菌効果)は無いとし、景品表示法(優良誤認)の規程に違反しているとして表示を改めるよう命令を下した(発表リリース、PDF)。

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リリースによればこれらの商品には、2007年11月頃までの間、「銀イオンによって便器の表面のカビや雑菌を除去し、増殖を抑える働きがある」かのような表記をしていた(例えば「銀イオンで除菌!」「銀イオンで除菌 トイレつるピカ!」)。

該当商品の一部
該当商品の一部

しかし実際には、公正取引委員会が研究機関に調査を依頼したところ、給水タンクへの注水のさいに該当商品から溶出または滴下する薬剤に含まれる銀イオンの量はきわめて少なく、この程度では銀イオンによって表面のカビ取り・雑菌の除去や増殖抑制の効果は認められないことが分かった。よって公取委では景品表示法にもとづき表示をあらため、再発防止策を講じることなどをアース製薬側に命じている。

アース製薬側ではこれを受けて、謝罪の意を表すと共に、すでに11月7日から自主表記訂正をしたものを出荷開始していること、問題を受けたこれまでの表示のある商品の回収には全力を注ぐなどとコメントしている(【発表リリース、PDF】)。

似たようなお話を先日【「超音波で蚊を寄せ付けない」実は効"カ"ゼロ】で取り上げた。「超音波蚊よけ器」にしても今回の「銀イオン芳香洗浄剤」にしても、キャッチコピーを躍らせてその効用をセールストークに用いるのは良いのだが、その「効用」についてしっかりとチェックをした上で商品開発をして量産したのかと考えてしまう。

「超音波」すら出ていなかった「超音波蚊よけ器」は論外だが、今回の「銀イオン芳香洗浄剤」にしても「銀イオンにはこのような効果があるから、含まれていれば別に効用を調べなくても良い」という甘えがあったのかもしれない(あるいは当初はしっかりと効果があるだけの銀イオンが流れる分量の成分が含まれていたが、コストカットの過程で減らされた可能性もある)。

ともあれ、すべてのメーカーには消費者の期待を裏切ることのないよう、注意してほしいものである。特にアース製薬は以前紹介したように、素晴らしい効用を示す『コバエがホイホイ』を出しているだけに、残念。今後は今まで以上に精進に励んでほしい。


(最終更新:2013/09/02)

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