「超音波で蚊を寄せ付けない」実は効"カ"ゼロ

2007年11月21日 06:30

「124S 超音波蚊よけ器」イメージ公正取引委員会は11月20日、超音波で蚊が逃げるをうたい文句にした中国製の蚊よけ器について「蚊が逃げる効用はまったくない」として、日本でこの商品を販売する【オーム電機】に対し、不当な商品表示を止めるよう命令を下した(【発表リリース、PDF】)。

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今回指摘を受けたのはオーム電機が発売していた「124S 超音波蚊よけ器」と「OMR-03ミニライト付き蚊よけ器」の2種類。「超音波で蚊を寄せ付けません。血を吸うメスの蚊がきらう周波数の音波を発生し、寄せ付けません」などとその効用について表記している。

同社では今商品を中国に生産委託・輸入し、超音波蚊よけ器は1998年から今年10月頃、ミニライト付き蚊よけ器は2001年3月頃から今年10月頃まで発売していた。販売先は主にディスカウントストアやドラッグストアなどで1個500円前後で販売。販売個数は100万個、売上高は4億円を超えていたという。

「効果はない」と指摘を受けた二商品。
「効果はない」と指摘を受けた二商品。

しかし公正取引委員会(から依頼を受けた調査研究機関)の調べによると、「鳥を入れたカゴに50匹の蚊を放って蚊よけ器の効果を調べたところ、およそ90%の蚊が鳥の血を吸い、蚊が逃げる様子もない」(NHK報道抜粋)など、まったく蚊よけの効果がないことが明らかになった。また、音波は発するが単なる音波で超音波ではなかったという。

公正取引委員会ではこの結果を受けて景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)の規定に違反する事実が認められたとして、不当な表示(「蚊がよける」)を止めるよう命令した。

各種報道によればオーム電機側では「中国メーカーに蚊よけ器の生産を委託したが”効果があるかどうかは検証していなかった”」とし、すでに先月から該当商品は出荷停止をし公正取引委員会の命令は受け入れると説明しているという。

各種報道や公取委のリリースを見ても「委託して製造した」「(会社側も)効果があるかどうかは検証していなかった」という表記しかないので、果たして「本来の設計なら蚊を避ける効果があったのだが委託した工場の製造過程で効果が出なくなったのか」「元々効果があるかどうかなど分からない、パロディ的なおもちゃ商品だったのか」「設計もすべて中国任せで単に販売していただけなのか」いずれのパターンなのかは不明。

とはいえ、長年にわたって販売を続け、数億円もの売上をあげておきながら、その効用について「検証していない」というのは無責任極まりないとしか言いようが無い。蚊にはプラセボ(偽薬)効果などないのだから。今後は蚊ではなくお客の信用が、お客一人一人ではなくメーカーから逃げていくことだろう。

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