「自分専用の携帯電話を持ったのは中学生時代」が半数以上のケータイ事情

2007年11月26日 06:30

モバイルイメージ【ネットエイジアリサーチ】は11月22日、高校生と携帯電話(ケータイ)との関わり方に関する調査結果を発表した。それによるとすでに中学生の時点で半数以上が自分の携帯電話を所有していることが明らかになった。すでに日常生活において欠かせない存在になりつつある携帯電話だが、その普及率は学生諸子の間においても高まりつつあることが分かる(【発表リリース】)。

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今調査は10月20日から26日までの間、全国の携帯電話を保有している高校生に対して携帯電話上のネット経由で行なわれたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層は高校一年生27.2%、二年生40.3%、三年生32.5%。機種比率はNTTドコモ48.2%、au37.4%、ソフトバンク14.4%。

「中学生までに自分の携帯電話を持った」約7割

PHSを含む携帯電話をはじめて持った年代についてたずねたところ、「高校1年」と答えた人がもっとも多く29.3%を占めた。

携帯電話(PHS含む)をはじめて持った年代
携帯電話(PHS含む)をはじめて持った年代

似たようなデータの取得は【小中学生への携帯電話の普及度急速に高まる、小学校高学年で24.1%】【小学校高学年でも携帯電話は4人に1人が持っている】でも行なわれている。今回のデータは一番新しいものとなるが、調査方法・調査対象が異なるとはいえ、以前のものと並べ比べてみると「はじめて携帯電話を持った年代」が一層若年化していることが分かる。

携帯電話の所有率(ネットエイジアリサーチ、2007年10月)

小学生(高学年)……15.3%
中学生……69.0%
高校生……99.7%

携帯電話の所有率(日経パソコンオンライン、2007年5月)

小学生(高学年)……26%
中学生……48%
高校生……91%

携帯電話の所有率(厚生労働省調査、2004年)

小学生……24.1%
中学生……48.3%
高校生……91.8%


今回のネットエイジアのアンケートはそもそも論として「携帯電話経由で」「高校生に対して」行なわれたもので、そのほとんどが自分自身の携帯電話を使っているはず。そのあたりの事情を差し引いて考える必要があるが、逆に「現時点で」高校生ということは「中学生」と回答した数字は今から1~5年前(最長5年は高校3年生の人が中学1年生の時に持ったという想定)であることを割り増して考える必要もあるとなると、差し引く割合はある程度減らしてもよいはず。

また、全体では48.3%と過半数割れをおこしている「中学生時代に携帯を保有した割合」だが、関東地区の高校生に限ると59%と高い値を示しているという。つながりやすさや機能の利用しやすさ、さらには防犯に対する心構えの違い、そして携帯電話そのものの価格の安さなどが反映されているのだろうか。

子ども、特に女子にとって携帯電話は「必要不可欠なアイテム」

携帯電話は自分にとって何のための道具か、という真髄を突いた質問をしたところ、全体では「コミュニケーションするための道具」と回答した人がもっとも多く24.4%を占めた。

■携帯電話は自分にとってどんな道具か(全体)

・コミュニケーションするための道具……24.4%
・生活するため、絶対なくてはならない道具……22.5%
・メールするための道具……19.4%
・何でもできる万能な道具……17.0%
・遊びができる道具……8.5%


いわばコミュニケーションツールとして携帯電話を位置づけていることが分かる。それと同時に「個の尊重」が進むあたり一人一人の個別化・孤独化が懸念されている現代社会において、自分の存在を確実にするため(「自分探し」などと表現されることもある)、そして他人とのつながりを確認できるツールは、いわば生きていくために必要不可欠なものと位置づけている高校生も多いようた。「生活するため、絶対なくてはならない道具」と回答する人も多数を占めている。

これが男女別々の回答となると、少々事情が変わってくる、というか性別による考え方がはっきりと見えてくる。

■携帯電話は自分にとってどんな道具か(男子高校生)

コミュニケーションするための道具……25.2%
・メールするための道具……22.4%
・何でもできる万能な道具……18.2%
・生活するため、絶対なくてはならない道具……14.8%
・遊びができる道具……8.8%

■携帯電話は自分にとってどんな道具か(女子高校生)

生活するため、絶対なくてはならない道具……30.2%
・コミュニケーションするための道具……23.6%
・メールするための道具……16.4%
・何でもできる万能な道具……15.8%
・遊びができる道具……8.2%


男子高校生より女子高校生の方が、携帯電話による(他)人とのつながりを重要に考え、それが無ければ生きていけないくらい、まるで空気や水のようなとらえ方をしているのが分かる。「井戸端会議」という言葉で表現されるように他愛もない会話を好む女子にとって、直接目の前に当人がいなくとも会話を楽しめ他人とのつながりを確認できる携帯電話は、まさに「社会性を持つ動物」としての人間らしい生活をするのには欠かせない、ライフラインのようなものと思われる。


携帯電話が今や高校生(子ども)にとって、とりわけ女子にとって無くてはならないアイテムであることは、「携帯電話」「パソコン」「テレビ」「ゲーム機」の4つの機器から一つだけ「取り上げられると困るもの」という設問への回答からも明らかにされている。全体では73.4%の高校生が「携帯電話」と答えているが(ちなみに「ゲーム機」は3.1%)、男女別で見ると男子の「携帯電話」は65.6%に過ぎないのに対し女子では81.2%もが「携帯電話」と答えている。

女子高生にとって
携帯電話は新世代の
「おしゃべり」ツール。
「おしゃべり」を
呼吸のように行なう
彼女らにとって
それ無くしては
生きて行けない。

何気ないおしゃべりを直接当人の目の前ですることや、固定電話経由で行なうというこれまでの「おしゃべりの仕方」を、携帯電話(特に電子メール)は根本的にひっくり返してしまった。携帯電話による音声での会話は、旅先や帰宅途中などのようにどんな場所からでも行なうことができる。電子メールを使えばインターネットのサイトへのリンクを張ったり、音楽や映像を同時に送るなど、これまでの「おしゃべり」ではとうていかなわない新しい「情報伝達」も可能となった。いわば多次元的に「おしゃべり」の幅が広がったことになる。これをおしゃべり好きな女性が見逃すはずはない。

今後ますます携帯電話の学生層への普及率は高まるし、低年齢化も進むことだろう。特に男性より女性への浸透度が加速するものと思われる。それと共に、倫理的な問題など「便利であるがゆえの問題点」も顕著化するだろうし、啓蒙活動やマナー教育などの必要性もこれまで以上に声高に叫ばれるに違いない。


(最終更新:2013/08/18)

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