消費期限 1日過ぎたお弁当 それでも「食べる」は 8割以上

2007年11月30日 06:30

コンビニ弁当イメージ【gooリサーチ】が11月28日に発表した読売新聞社との共同企画調査結果によると、スーパーやコンビ二で食品を買う時に賞味期限・消費期限を確認する人は9割強にものぼることが明らかになった。しかしその一方、消費期限を1日過ぎたコンビニ弁当について何らかの形で「それでも食べる」と答えた人も8割を超えるなど、消費・賞味期限に対して表示にそのまま従うとは限らない姿勢もうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は10月22日から25日の間にインターネット経由で全国の10~30歳代の男女に対して行なわれたもので、有効回答数は551。男女比は約1対1。職業内訳は学生が38%、正社員29%、専業主婦・主夫10%など。年齢階層などは一般公開されていない。

最近は食品の各種期限や内容偽装、差し替えなど毎日のように食品の安全性を再確認せざるを得なくなるニュースが飛び込んでくる。毎日食べ物を口にする消費者の立場としては、どうしてもこれまで以上に、安全性について考えを馳せてしまうもの。食の安全性に関心がある人はどの年齢層でも9割前後に登るなど、気にしている人が大多数であることが分かる。

9割が「賞味期限」「消費期限」を確認する。しかし……

それではスーパーやコンビニで消費期限・賞味期限を確認する人はどれくらいいるだろうか。「必ず」「ときどき」をあわせると実に9割の人が「確認する」と答えている。

■スーパーやコンビ二などで食品を買う際に賞味・消費期限を確認するか

・必ず確認する……63%
・ときどき確認する……28%
・あまり確認しない……8%
・まったく確認しない……2%


必ずではないものの確認する人もあわせると、90%の人が気にしている・確認していることが分かる。ちなみに「賞味期限」「消費期限」の違いは【「消費期限」と「賞味期限」の違いとは?】で詳しく説明しているが、一行でまとめると「5日未満しか持たない劣化が早いものは消費期限、それ以上もつのは賞味期限」となる。

今アンケートは若年層を対象にしたもの。これらの層でも食品の鮮度には気を使っていることが分かる。

しかし実際に食品が手元にある場合、その判断基準は多少ぶれが生じるのかもしれない。コンビニ弁当を冷蔵庫に入れたまま「消費期限」が1日過ぎた場合どうするのかについてたずねたところ、「そのまま捨てる」と回答した人はわずか16%に過ぎなかった。

冷蔵庫に入れて1日消費期限を過ぎたコンビニ弁当をどうするか
冷蔵庫に入れて1日消費期限を過ぎたコンビニ弁当をどうするか
消費期限が一日過ぎた
コンビニ弁当
「捨てずに食べる」は8割

律儀に消費期限を守って捨てると回答したのは男女共に1割強。そのまま食べてしまう、あるいは加熱するなど調理して食べると回答したのは男女共に8割強に達している。男女別では男性が「そのまま食べる」派が多いのに対し、女性では「加熱するなど調理して食べる」派が多いように、一応気を使っている(あるいは「料理」が身についている)のが分かる。

リリースでは「(律儀に)表示だけに頼らず、色やにおいから判断する能力を持つことも必要でしょう。ただ、基本的には表示を守るべき」とコメントしている。逆のパターン「消費・賞味期限を守れば見た目や匂いがどんなに危なくても口にしてしまう、ということがないように」ということの裏返しとも読み取れるように、一人一人の判断力が大切ということでもあるのだろう。

産地を気にする人は過半数?

食品の安全性といえば「消費期限」「賞味期限」のような鮮度以外に、最近は産地も気になるお話。俗にいう「チャイナフリー」問題や、国内産をアピールしていたのに実は海外産だったという事件もよく耳にするようになった(もちろんあっては困る話なのだが)。

そこで食品の産地を気にするか、たずねたところ、何らかの形で気にすると回答した人は全体の6割に登っていた。

■食品を買うとき、どちらの考えに近いか

A:値段が高くても国産の食品を買う
B:値段が安いから外国産の食品を買う

・A……17%
・どちらかといえばA……44%
・どちらかといえばB……33%
・B……6%


逆に考えると4割近くの人は産地にこだわらず、価格を重視している考えかたをもっていることが分かる。


産地や鮮度の偽装問題が相次ぐ中、消費者の食品への関心も高まり、取捨選択も慎重になる傾向が見て取れる。例えば当方(不破)の自宅近所にある某スーパーや100円ショップでは、野菜のすべてに産地を表示するようになり、加工品の多くにも「●×産の△□を使い、有名な■◎社によって加工されたものです」というように安全性をことさら強調するようなラベルが貼られるようになった。

また売上の傾向として野菜の多くにおいて、海外産(特に中国産)よりも国産のものがこれまで以上に好まれているように思われる。例え単価が2倍だったとしても、国産が飛ぶように売れ、隣に置かれた中国産は閑古鳥が鳴くといった状態を何度と無く目にしている。

海外産、特に中国産のすべてが危険であるはずはなく、国産なら何でもOKというわけでもない。ただ昨今の情勢をみるにつけ、リスク回避・確率論という観点で見るとどうしても国産のものを選んでしまうのは、消費者なりの「知恵」によるものだろう。

一方、消費期限・賞味期限については「設定そのものが厳しすぎるのではないか」という論議すら沸きあがっているのを耳にする。先の参照記事「「消費期限」と「賞味期限」の違いとは?」でも多少触れているが、安全性を十分に考慮した上での期限設定であるため、実際には期限を過ぎても多少なら大丈夫である「ことが多い」。

要は食べる人一人一人の判断の参考・基準になるのが「消費期限」や「賞味期限」。湿度が高く無茶苦茶暑い真夏に放置されて、匂いも色も「どうみてもこれは傷んでいるだろう」としか見えないのに「消費期限が明日だから大丈夫!」と口にすれば、どのような悲劇が待っているのか想像するに難くない。

産地にしても鮮度にしても、まずは作り手・送り手側が正しい情報を提供するという「誠意」に期待をしたい(というより「ウソをつかない」というのはビジネスとして当たり前のことなのだが……)。そしてその上で、消費者一人一人が正しい情報を元に、正しい判断を下せるよう、注意と関心をよせる必要があるのだろう。


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(最終更新:2013/08/18)

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