2007年11月17日
「サブプライムローン」という名の亡霊を退治する10の提言-(下)
2007年11月17日 19:30
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「サブプライムローン」そのものの現状説明で1記事を費やしてしまった、【Forbes】における専門家が語る「亡霊」退治の方法「【絵で見るサブプライムローン問題を解決する10の提言(In Pictures: Ways to Solve the Housing Crisis)】」。それでは早速簡単ながらまとめてみることにしよう(【参照:日経BP】)。
・Federal Oversight Of Lending Industry
(連邦政府の規制監督による貸付業界における引き受けと販売機能の分離)
・Restore Investor Faith
(投資家の信頼回復)
・Expand The Scope Of Fannie, Freddie And The FHA
(米国連邦住宅庁の権限強化と政府支援住宅金融機関による金融証券化の促進で貸付市場を活性化する)
・Jobs, Jobs, Jobs
(雇用を回復して人々の購買意欲を高めさせる)
・Cut Prices And Construction
(住宅現場における価格と供給量の適正化。現在は供給過剰)
・Non-Agency Loans Need To Return To The Market
(非代理店ローンの市場復帰。住宅ローン市場へ彼らが復帰することで借り手・貸し手両方に適切な仲介を行い、市場を活性化させる)
・Investors Need To Learn From Their Mistakes
(投資家は自分たちの間違いから学習する必要がある。リスクの高い証券への投資にはそれなりの危険性が伴うことを知るべき)
・Don't Cut Rates, Cut Inventory By Any Means Possible
(どんな理由があろうとも金利の引き下げをするな。FRBの金利引下げを非難)
・Buyers Need To Look At The Market In A Long-Term Sense
(住宅市場は暴落してるというが、全体的にはまだ高い。5年以上のロングスパンで価格を見て住宅の購入は決めるべき。2008年の後半には需給バランスも回復すると予見)
・Buyers Need To Realistically Assess What A Price Trough Means
(今は売り手ばかりの住宅市場だが、買い手はてぐすね引いて「超お買い得」な状態を待っている。じきに底値に達して「需給バランス」が取れた状態になり、市場に活性感が戻ってくる)
それぞれの専門家がそれぞれの専門分野から分析して、自分の守備範囲内で回答した結果であるため、相反するものもあれば「何を今更」感のものもある。「効果的かもしれないけど、本当に正しいのかな」というものもある。「モチはモチ屋」という言葉ではないが、専門家の言及はどれも正しいように聞こえてくるから困りものだ(笑)。
これらはあくまでも、「サブプライムローン」の震源地であるアメリカのお話なので、日本においてどうこうすることはできない。ただ、「投資家の信頼回復」「投資家は経験から学ばねばならない」あたりは参考にすべきお話。
アメリカ国内における住宅の需給関係のデータを調べた限りでは、早くとも今年一杯、恐らくは来年前半くらいまで、アメリカにおける住宅関連の市場停滞は続く様相である。また、アメリカ政府が本格的な対処を取り始めた2006年以前に契約が行なわれた「サブプライムローン」の「2年後の金利上昇」は2008年にピークを迎える。このことから「影響の最高潮は2008年にやってくる」と主張する人も少なくない。どの意見が正しいか、それは今後の市場展開だけが答えてくれる。
日経平均株価はここ数日1万5000円を底値とし、ぐずぐずとした展開を繰り返している。買い要素がほとんどなく、「サブプライムローン」亡霊がさまざまな形で(あるいは現実化し、あるいは「かもしれない」という思惑で)襲い掛かり、ますます売り基調に拍車をかけているのが一因。
市場の信頼を回復し、活力を呼び戻すためには、経済そのもの(内需の拡大など)も必要不可欠だが、同時に市場に対する「サブプライムローン」関連への適切かつ十分な情報の開示が求められている。「10億の損失確定。でもまだあるかも……」よりは「100億円の損失確定。これでほとんどすべて関連損失は吐き出しました」とした方が、最終損失額は大きくとも、市場に与える印象ははるかにプラスとなる。
一番良くないのは中途半端な公開で後々まで不安を引きずることに他ならない。病気で例えればすぐに理解できるはずだ。盲腸で「薬で散らしたけどまた再発するかも。いつ再発するか分からないし、どの程度の再発具合になるかは分からない」よりは「摘出手術をしました。もう再発しませんよ」の方が良いに決まっている。例え手術そのものが多少面倒だとしても。
10の提言それぞれはアメリカ国内において論議し、対処を練ってもらいたいところ。日本において「亡霊」の影響を断ち切る数少ない対処法、それは「痛みを伴ってでも関連する情報の誠実な公開」に他ならないだろう。
■一連の記事:
【「サブプライムローン」という名の亡霊を退治する10の提言-(上)】
【「サブプライムローン」という名の亡霊を退治する10の提言-(下)】
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