「慣れてる人は上から順に」「慣れてない人は知名度の高いサイトを」検索結果の使われ方の違い

2007年10月27日 12:00

インターネットイメージ別の調べ物をしている際に、気になる記事が目に留まった。【Amazonにない書籍をネットで買え--ユーザーはどう検索する?】というタイトルで、内容としては検索エンジンの使用方法について検索慣れしている人としていない人で、使われ方にどのような違いがあるか、という主旨のものだ。

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記事では利用者が画面上のどのポイントを見ているかが計測できるツールを用い、「すでに絶版になっていてAmazon.co.jpでは手に入らない本(一部のオンライン書店や出版社サイトでなら購入可能)を探し、購入してもらう」という課題をこなしてもらうという実験が行なわれた。実際に検索リテラシー(検索の経験や技術)の高い人とそうでない人、それぞれ3人ずつを検証。

検証絶対数が少ないので「世間一般にこのような動向が見られる」と断言するのは早急で危険だが、次のような興味深い結果が得られている。

■検索リテラシーの低い人
・検索をしても上位から順にチェックをするわけではない
・検索結果一覧の中から自分が知っている、興味のあるサイトをチェックする傾向
・なじみのある、興味のあるキーワードを持つ検索結果上のサイトもチェックする
・検索結果1ページ目に掲載されていないと、キーワードを追加して再度検索する※
・「F」の傾向が弱い

■検索リテラシーの高い人
・検索結果の上位から順番に利用する
・検索結果上の説明文をじっくりと読む
・「F」の傾向が強い

※掲載されていた動画からの検証結果。元記事本文中では言及されていない。「1ページ目になければ2ページ目以降も探す」「1ページ目になければキーワードを変える・追加して再検索する」という検索パターンによる違いかもしれない。


Fの法則イメージ検索エンジンを利用した結果の表示では特に、利用者の目の視点は「F」の形をとるといわれている。インターネット上の文章は横書き・左から右へという様式のため、すみからすみまで読もうとすると、視点の動きが自然にそのような形になるというものだ(同様の法則に「Zの法則」がある。これは内容がぎっしり詰まったサイトの場合、やはり視点が「Z」のように動くというもの)。

しかし検索リテラシーの低い人は文章すべてを上からじっくり読むことはせずに、興味の引くキーワード(知っている、なじみのある、知名度の高い)を探し、そのキーワードに視点を移すという利用パターンを使うことが多い。サイト名そのものはもちろん、説明文中からも「キーワード」を見つけ出そうとするので、説明文次第でスルーされるかが決まる可能性が高い。

一般に検索エンジンの検索結果では「上位にあればあるほど優位に立てる」といわれている。しかし実際には、それと同等に、あるいは(初心者向けの場合は特に)説明文の良し悪し、サイトのネームバリュー、そしてなにより「1ページ目に表示されるか否か」が重要であるようだ。

似たような話はかつて当サイトで、サイト上の読者の視点が追えるツール【Crazy Egg】の利用結果分析でも取り上げている(【アクセス解析サービス「Crazy Egg」を試してみる(3)計測データから色々考えてみる】)。「大きな画像」「分かりやすい言葉」には読み手の注目が集まりやすく、クリックされたり熟読される可能性が高い。さらに同様の調査結果について伝えた【ネット新聞読者は紙の新聞読者より記事を読みこなしている】では「表現方法の工夫、Q&Aや時系列形式と大きな写真、ナビゲーションが重要」と結論付けている。検索エンジンの結果に写真やQ&Aを付けるわけにはいかないので、やはり表現方法=説明文の工夫が必要になるのだろう。


大企業や有名人でも無い限り、自前のサイトのネームバリューを高めるには地道で継続的な努力が必要不可欠(長時間努力をしても必ずネームバリューが高まるとは限らないが……)。ビジネスの世界なら「それが出来なきゃ買収で知名度と経験、経歴をゲットしよう」ということになるのだが、サイト運営ではそういうわけにもいかない。普通のサイト運営者にできることは、地道な努力以外には「説明文の工夫」ということになる。

■初心者にも優しい「検索結果」を
出すために
・検索結果上位表示(必要不可欠)
・ネームバリュー
・分かりやすい説明文
(サイト上の「工夫」が欠かせない)
・サイトタイトルにも一工夫

検索エンジンの上位に表示されるよう「色々な」手立てを打つのはもちろんだが、実際に表示された自サイトのタイトルや説明文次第でユーザーの興味関心を引くかどうかが大きく変わることを忘れてはならない。初心者向けにアピールするならなおさら、というわけだ。

ちなみに。あるキーワードで検索して表示される検索結果において、表示される各サイトの説明文がどの部分から抽出されるかは、それぞれの検索エンジンごとの「くせ」がある。同じキーワードで検索しても、ある検索エンジンは対象キーワードの周囲の文章を表示し利用者の関心をひきつけるような文面を構成してくれる一方で、別の検索エンジンではサイトそのものの説明文(当サイトなら「株式投資を中心に、ゲーム業界、Webテクノロジー、モバイル分野など、他愛もない~」のところ)を表示してしまう場合もある。どのキーワードで検索しても「サイトそのもののアピール文」が出たのでは、多くの人には見向きもされなくなる。これではいけない。

タイトルそのものの付けかたと共に、各ページを構成するタグ(HTML)の表記をちょっと変えるだけで、検索エンジンとそのエンジンの利用者にとって「優しい」検索結果を表示し、自分のサイトをアピールすることが可能になる。アクセス解析や検索エンジンとの「キャッチボール」を繰り返していけば、その「工夫」が何であるのか、きっと分かることだろう。


(最終更新:2013/08/18)

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