考えただけで『セカンドライフ』が操作できるシステム、慶応大学が開発

2007年10月16日 08:00

ブレイン・コンピュータ・インターフェース技術イメージ慶應義塾大学理工学部生命情報科 富田・牛場研究室は10月11日、頭の中で考えただけで多人数同時参加型ネッワークコミュニケーションツール【セカンドライフ(Second Life)】内で自分のアバター(キャラクタ)を移動させることができる「ブレイン・コンピュータ・インターフェース技術」の開発に成功したと発表した。脳波の読み取りで機械を動かす技術は各分野で研究が進められているが、その技術を『セカンドライフ』に応用したのは(同研究室によれば)今件が初めてだという(【発表リリース】)。

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リリースによるとこの技術は、利用者の頭の部分3か所に直径1センチの電極を貼って、手足の運動を制御している「大脳皮質運動野」の脳活動をとらえ、それをリアルタイムに分析することで、利用者が「どのような運動をしたい・させたいのか」を読み取るというもの。具体的には利用者が運動をイメージすると、そのデータを受信したコンピュータが自動的に信号を分析、その分析結果に合わせて『セカンドライフ』内のキャラクタを操作する信号を送信する。つまり「頭の中で考えている行動がそのまま『セカンドライフ』内のアバターに反映される」ことになる。

「ブレイン・コンピュータ・システム」の模式図
「ブレイン・コンピュータ・システム」の模式図

リリース上には具体的にどのような行動を反映できるのか、またその反映率はどれくらいなのか、詳細の説明がなく、具体的な精度は不明。公開されている動画と説明文を見る限り、前後左右の移動や視点の回転はできるようである(「足を動かすイメージ」でアバターが前身、「右手を振る」イメージで右に回転、など)。

研究室では今後技術開発を進め、より複雑な動作ができるように改良を行なう予定。それと共に運動機能に障害のある人にも検証してもらい、将来的には「脳」の積極活用によるリハビリテーション分野への応用、さらには自立に向けたコミュニケーション・ビジネスツールとして発展させることも模索しているという。

思考による脳波の変化を読み取り分析し、それを外部機器のコントロールに反映させる技術については、例えば先に【日立製作所(6501)、「考えるだけで鉄道模型をコントロール」実験に成功】でも挙げたように、純粋に科学技術の開発として、あるいはアトラクションの仕組みとして用いるべく開発・実用が行なわれている。ただ、その仕組みをバーチャルワールド上の『セカンドライフ』に応用するという発想は意外性があり、興味深いものがある。

リリースで説明されているように医療や福祉分野での応用以外に、たとえばSF映画に出てくるような「ヘルメット形式のコンソール(コントローラー)だけですべての操作が可能なバーチャルゲーム」の提供も、そう遠い未来の話ではなくなるのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/19)

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