ローソン、食品値上げを受け入れ・地域別価格設定も検討へ

2007年10月11日 08:00

ローソンイメージ[ローソン(2651)]は10月10日、記者会見の中で食品価格に関する言及を行い、食品メーカーからの値上げの要請を受け入れる方針であることを発表した。さらに全国一律の値上げを避けるために、メーカー側の協力も得たうえで、地域によっては量や中身を変えるなどの工夫をして低価格の商品を展開するなど、「地域別価格設定」戦略を実施する検討に入ったことも明らかにした。今件について正式なリリースは現在のところローソンからは流されていない。

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ローソンの新浪剛史社長は10月10日の決算短信(【2008年2月期中間決算短信、PDF】)の発表の際に食品メーカーの間で値上げの動きが加速していることについて、「食品メーカーは企業努力をしている。しかしそれも限界に来ており、ローソン側が値上げの要請を受け入れなければそれら企業が無理をすることになる。その無理は商品の質の低下をまねくなど、最終的に消費者への迷惑につながってしまう。価格の値上げについて、消費者の皆様にはご理解いただきたい」とし、メーカーからの値上げ要請を受諾する方針を示した。

しかしその一方新浪社長は、地域によっては売上が低迷している店舗があることから、全国一律で値上げをした場合に低迷地域が埋没してしまう可能性があるため、すでに[マクドナルド(2702)] などが実施している「地域別価格設定」戦略を打ち出す検討に入ったとも語った。いわく「「都市部は売り上げが好調だが、地方の落ち込みは厳しい。都市の利益で地方のマイナスをカバーするということも必要」とのこと。

具体的にはメーカーの協力を得た上で、「客入りの良い都心部には付加価値の高い高価格の商品を開発」「低迷地域では量や中身を変えて価格を低く抑えた商品を販売する」ことを検討する。価格差をつける場合には、商品のパッケージを変えることもありうるという。

同一商品について中身を変えて低価格の商品を提供するという方法は、先に【バレンタインデーだけをチョコのセールス期間にしないために……オトナのチョコ市場開拓事情】で記事にしたように100円ショップ向けカップヌードルこと「スープヌードル」の例がある。恐らくは似たような手法で、商品「開発」がなされるのだろう。

食品メーカー側の相次ぐ値上げに対しては、スーパーやコンビニなどの小売店それぞれによって対応が分かれている。ローソンが今回打ち出した「食品価格の値上げ受諾」「地域別価格設定によるバランス調整」戦略が他の企業の判断にどのような影響を与えるか、そして何より消費者に支持されるかどうか、注意深く見守る必要があるだろう。

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