全般的にふるわず…2007年9月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-1.0%

2007年10月23日 19:30

デパートイメージ【日本チェーンストア協会】は10月22日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2007年9月度における販売統計速報を発表した。それによると食料品の一部でやや堅調さを見せたものの全般的にふるわず、店舗調整後の総販売額は前年同月比で1.0%ものマイナスを記録した。水産品や秋もの商品、特に衣料品全般の売上が伸び悩み、売上高を下げる原因となった。(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

今調査結果は協会加入の79社・8690店舗に対して行われている。店舗数は先月比で134店舗減、前年同月比で26店舗増とやや増加している。売り場面積も先月同様に増加しており前年同月比101.6%と1.6%ほど増えている。

店舗面積は増えているものの売り場1平方メートルあたりの売上高は前年同月比で97.6%と先月同様に前年同月比でマイナス状態が続いており、一方で従業員数は101.4%と増加している。これだけを見ると採算性は悪化しているようである。従業員数は正社員+パートで表されているので、正社員数を減らしてその分パートを増やし、賃金総額を軽減する方向で経営改革が進められているのかもしれない。

……というような状況は先月同様である。売り場面積が増えてもそれ以上に面積単位の売上高が減っている、というよりは「面積を拡大しても売上の増加には結びついていない」というのが実情だろう。集約化による効率向上と顧客サービスの拡充(従業員の増加)で客足を増やし単価を上げようと努めてはいるが、成果は現れていないようだ。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……1兆0871億3861万円
・食料品部門……構成比:64.1%(前年同月比101.1%、△1.1%)
・衣料品部門……構成比:10.8%(前年同月比90.4%、▲9.6%)
・住関品部門……構成比:19.5%(前年同月比96.8%、▲3.2%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比97.8%、▲2.2%)
・その他…………構成比:6.2%(前年同月比101.0%、△1.0%)


残暑のせいか秋物大苦戦。
新築住宅用の家具など
住関品の売上低下も
顕著に見られる。

9月は全国各地で月平均気温が最高値を更新するなど残暑が厳しく、エアコンや扇風機、飲料水など夏物商品は売れたものの、秋物が全般的に大不調。これが全体的な売上を押し下げることになった。

取り分け衣料品部門では前年同月比で約1割近い下げ方を記録している。全体に占める割合が1割程度だったから総計の売上にはさほど大きな影響を及ぼさなかったものの、単独の分野では部局長の顔が青ざめるような値である。気象は売り場担当者にコントロールできるものではないとはいえ、出てきた結果はあまりにも厳しい。

また、気象動向とは別に、一つ気になる動きがあるので言及しておく。住関品も大きな下げを見せているが、特に「家具・インテリア」(▲4.7%)「家電商品」(▲7.5%)の下げが厳しい。それぞれの具体的商品名を見てみると、前者は「収納用品」「インテリア家具」「組み立てボックス」が不調、後者は「カーペット、カーテン」「布団」が不調と説明されている。これらの商品は通常の生活ではさほど買い替える機会はなく、引越しや新居を建てた時にまとめて注文することが多い。

改正建築基準法による
住宅着工の減少が
住関品売上の大幅減少に
大きく関与している。

【改正建築基準法で影響を受ける周辺業界たち】でも説明したように、建築基準法の改正による行政側の不手際で、新築住宅の建築のペースは大幅にダウンしている。この影響がチェーンストア業界における、特に住関品関連の売上を押し下げている可能性はきわめて高いと考えられる。

同法改正による建築業界の不振はまだしばらく続く。それに足を引きずられる形で、住関品関連の売上、しいてはチェーンストア全体の不調もしばらく続くかもしれない。

(最終更新:2013/08/18)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ