新型インフルエンザ対策を大量に盛り込んだインフルエンザ総合情報サイト「influenza.jp」リニューアル

2007年09月01日 12:00

新型インフルエンザイメージ製薬会社の【グラクソ・スミスクライン】は8月20日、同社が運営しているインフルエンザ情報サイト【influenza.jp】を全面リニューアルしたと発表した。リニューアル後は通常の季節性インフルエンザだけでなく、新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)による問題への対処方法などの詳細な情報が掲載されている(【発表リリース】)。

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新型インフルエンザとはH5N1型などの鳥インフルエンザが変移し、鳥から人間、そして人間から人間へ伝播する能力を獲得し、さらにその時は(発生したばかりなので)ウイルスに対する免疫を誰も有していない状態であるため、大規模な流行が発生してしまう状況を指す。何度と無く当サイトでもお伝えしているように、状況次第では日本でも約3200万人が感染しうると想定されている(厚生労働省想定)。

すでに国や医療機関などが法整備や即時ワクチンの開発・量産体制の準備、対処薬の備蓄など、各方面で「備え」を勧めている。しかしその一方で一般企業や家庭でも自主的な「備え」が必要であるとし、今回グラクソ・スミスクラインではインフルエンザサイトのリニューアルにあたり、新型インフルエンザ関連の情報を大量に盛り込むこととなった。

リリースによると企業によっては「長期欠勤の推定値は30~50%とされており、業務継続が著しく困難になることが予測」されるため、「日常の業務が大幅に制限される状況において、人的接触を最小限に抑えながら、必須業務を滞りなく継続していくためにどのような方法をとるべきか、具体的な行動計画を準備しておくことが不可欠」。また家庭でも正しい情報を元にした準備をしておくことが必要不可欠。

新サイト内「パンデミック対策」ページ
新サイト内「パンデミック対策」ページ

新サイトでは通常のインフルエンザに対する項目は1つのみで、他は「新型インフルエンザ」「パンデミック対策」「パンデミック対策チェックリスト」「パンデミック対策Q&A」とすべてが新型インフルエンザに向けたページ構成となっている。内容は厚生労働省が発表した資料などを参考にした上で、新潟大学大学院医歯学総合研究科・国際感染医学講座公衆衛生学分野・鈴木宏教授が監修。

個人・家庭向けの情報や対策、チェックリストなどはもちろん目を通すべきだが、それ以上に企業に向けた各種情報が掲載されているのは注目に値する。厚生労働省からも関連情報の中で、規模を問わず企業向けの対策マニュアルが公開されているが、型一辺倒のもので分かりにくいという企業担当者も多いだろう。企業向けの情報としては「行動計画作成のポイント」「企業継続のポイント」「危機管理対策」、さらにQ&Aでも多数の(というより事実上すべての)項目が企業向けとなっている。

地震発生時に備えて食糧や水、医薬品など各種必要な品々をそろえている企業ですら少数派である昨今において、目の前で展開されたことがない新インフルエンザへの備えなど優先順位は最低ランクだ、と考える企業(総務などの担当者や重役)も多いだろう。しかし対策マニュアル・行動計画は一度作成してしまえばほとんど手直しせずに長期間利用できるし、【もしもの時のために・非常持ち出し品26品目】でも例示したように地震など他の問題への「備え」と共通できる部分は共通し、新たな準備を最低限にとどめることも不可能ではない。

恐らく多くの人・企業にとってパンデミックに遭遇することなど、一生に一度あるかないかという確率だろう。もしかしたらずっと起きないかもしれないし、「大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき、大騒ぎしたわりには大したことはなかった、という例え)」な結果に終わるかもしれない。しかし、可能性はゼロではないし、繰り返しになるがパンデミックへの備えは他の備えと共有できる部分も多い。

今回新設されたサイトの情報も参考にしながら、特に企業において対策を検討してみるべきではないだろうか。

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