YouTube、知ってる人は9割超・うち「見たことがある」は8割超。でも投稿希望者は1割

2007年08月08日 08:00

【日経BP】が8月6日に伝えるところによると、日経BPの読者を対象としたアンケート調査で9割以上の人が動画投稿サイト【YouTube】のことを知っており、そのうち8割以上の人が動画を実際に見たことがあると回答していることが明らかになった。日本の著作権団体などからは色々と苦情が寄せられ物議をかもしているサービスではあるが、すでに日本のインターネットユーザーの間では「常識」的なレベルで認知されていることがうかがえる。

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今調査は7月25日から27日までの間、インターネット経由で行なったもので、回収回答数は932件。男女比は93.5対6.5、年齢層は40代がもっとも多く38.1%、ついで30代が25.6%。日本経済新聞関連のウェブページから告知しているので、ビジネスパーソンの割合が多いと推測される。

調査結果では実にさまざまな興味深いデータが出ているが、何より気になるのは、そもそも論として「YouTube」を知っているかどうか。【アメリカ発動画投稿サイト「You Tube」が日本国内視聴者数でもGyaoを抜く勢い】にもあるように、日本でもすでに、公開制動画投稿サイトではYouTubeの認知度がきわめて高いことが知られている。今回の調査でもそれを裏付ける結果が出ている。

YouTubeを知っているか
YouTubeを知っているか

実に84.6%の人が「知っている」と答えている。単に「聞いたことがある」という人を加えると9割強の人が認識している計算だ。ネット上の1サービスの数字としては、ヤフーやグーグルなどと同様にきわめて高いといえる。

では実際にそのYouTube上の動画を見たことがあるかどうかについて(「知っている」「聞いたことがある」人に)たずねたところ、経験がある人は82.8%と8割強の人が「見たことがある」と回答している。

(知っている人を対象に)YouTubeを見たことがあるか
(知っている人を対象に)YouTubeを見たことがあるか

「日頃からよく視聴している」という常連さんモードに突入している人は15.6%と意外に少なく、「たまに視聴している」が42.9%と半数近くを占めている。YouTubeでは投稿されている動画それぞれにタグを出力しており、そのタグをブログパーツのように貼り付ければ自分のサイトやブログ上でその動画を配信することができるようになっている。「たまに視聴している」人は、直接YouTubeのサイトで動画を探したり楽しんでいるのは別に、ブログやサイト上経由で動画を見ているのかもしれない。

「双方向性(インタラクティブ)」の言葉で表現できるように、YouTubeなどの動画投稿サイトでは投稿された動画を見るだけではなく、自分で投稿して不特定多数の人に見てもらうことも可能。当方(不破)もサイト上で素材として撮影した動画を配信するためにYouTubeへ時々投稿しているが、実際に自分で創った動画を投稿している人はどれくらいいるのだろうか。その質問に「実際に投稿した経験がある」と答えた人はわずかに1.5%に過ぎなかった。

YouTubeに投稿した経験はあるか
YouTubeに投稿した経験はあるか

「機会があれば投稿したい」と答えた9.0%を合わせてもわずか1割程度しか「投稿の意志を有している人」がいないことになる。


動画ではなくテキストの一般掲示板でも、双方向性の特性を持つにも関わらずほとんどの人(9割前後)は単に書かれている文章を読むだけで自分で書き込みすることはない。掲示板を他の通常記事やニュースと同じように「読むだけのもの」と認識している。セキュリティの問題を危惧したり、特に投稿したいことがないなどの理由もあるが、一番は「面倒だから」。

YouTubeへの投稿ニーズが低い
・動画作成器材
・動画作成の手間
・投稿の手間
の3点がハードル

サイト上にアンケートフォームを設ける時にも、わざわざメーラー(メール送受信ソフト)を立ち上げる仕組みのものよりはブラウザ上で入力できるものを、そして項目はできるだけ少なく、本当に必要なものだけを聞きたければそれに絞って(極論としてイエスかノーか)問うようにし、ハードルを低くすればするほど多くの人が回答するのは周知の事実である。誰だって「回答に20分かかる」アンケートよりは「1つハイかイイエで答えるだけでOKです」という質問の方が、答えるモチベーションが上がるに決まっている。

YouTubeなどの動画投稿サイトにしても、多くの利用者が「双方向性のメディア」だという認識を持っている。しかし掲示板の書き込み(文章)と比べて気軽さの点で、動画を自分で撮り、投稿したいと考えている人は少ないだろう(そもそも後述する携帯電話以外で、動画を撮影する環境を持っている人はそれほど多くはない)。さらに投稿する時の手間を考えれば、二重のハードルの高さでテキストの掲示板と比べ、動画投稿サイトに投稿する可能性は低くなるものと思われる。

ただし投稿される機会が増えれば増えるほど(管理側の統括も大変になるが)、コンテンツが面白くなり、やりとりが活性化するのは一般の文章掲示板と同じ。写メール文化が広まり、動画も気軽に送る人が増えた昨今、「動画を簡単に創れる(撮影できる)」携帯電話からの投稿や閲覧の仕組みを整備することで、少なくとも日本ではYouTubeの活用がさらに爆発的に飛躍するものと思われる。

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